2.急速な胸膜肥厚の進行とともに左胸郭の縮小を呈した石綿肺の1例(第83回日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

症例は69歳男性. 2002年に右胸痛出現し近医受診, 胸部X線にて右肺胸水および腫瘤影を認めたため, 精査目的にて当科紹介受診. PET検査にて異常集積は認められず, 胸部CTから円型無気肺と考えられた. 胸水は一過性で減少を認めたが, CTにて両側の胸膜肥厚が認められたため, 経過観察していた. 2008年1月に胸部X線にて左肺胸郭縮小を認めた. 胸部CTでは著明な線維化の進行は認めず, 左胸膜肥厚の進行を認めた. 石綿の曝露歴が明らかでなかったため気管支鏡検査を行なったところ肺胞洗浄液中に18本/mlの石綿小体を認め, びまん性胸膜肥厚を伴う石綿肺と診断した. 石綿曝露歴が明らかでない場...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 30; no. 5; p. 330
Main Authors 熊本, 牧子, 児山, 紀子, 小川, 真代, 本津, 茂人, 桜井, 正樹, 早川, 正樹, 山内, 基雄, 玉置, 伸二, 前田, 光一, 山本, 佳史, 木村, 弘, 友田, 恒一, 小林, 真也, 濱田, 薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2008
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.30.5_330_2

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Summary:症例は69歳男性. 2002年に右胸痛出現し近医受診, 胸部X線にて右肺胸水および腫瘤影を認めたため, 精査目的にて当科紹介受診. PET検査にて異常集積は認められず, 胸部CTから円型無気肺と考えられた. 胸水は一過性で減少を認めたが, CTにて両側の胸膜肥厚が認められたため, 経過観察していた. 2008年1月に胸部X線にて左肺胸郭縮小を認めた. 胸部CTでは著明な線維化の進行は認めず, 左胸膜肥厚の進行を認めた. 石綿の曝露歴が明らかでなかったため気管支鏡検査を行なったところ肺胞洗浄液中に18本/mlの石綿小体を認め, びまん性胸膜肥厚を伴う石綿肺と診断した. 石綿曝露歴が明らかでない場合でも石綿関連病変を認めることがあり. 診断には気管支鏡検査が有用であると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.30.5_330_2