日本医科大学脳波カンファレンスの誕生

てんかんはてんかん発作を引き起こす慢性疾患である. 2005年, 国際抗てんかん連盟は「てんかん発作とは, 脳における過剰または同期性の異常なニューロン活動による一過性の徴候または症状である. てんかんとは, てんかん発作を引き起こす持続性素因と, それによる神経生物学的, 認知的, 心理学的, 社会的な帰結を特徴とする脳の障害である」と定義した. てんかんの活動性有病率(5年以内にてんかん発作がある. あるいは抗てんかん薬を服用中である率)は一般人口1,000人あたり6.38人と報告されている. 日本の人口を1億2,500万人とすると治療を要するてんかん患者は約80万人と推測され, すなわち...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 17; no. 3; pp. 108 - 109
Main Authors 廣中, 浩平, 太組, 一朗, 岸, 泰宏, 朝山, 健太郎, 川上, 康彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 25.06.2021
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Summary:てんかんはてんかん発作を引き起こす慢性疾患である. 2005年, 国際抗てんかん連盟は「てんかん発作とは, 脳における過剰または同期性の異常なニューロン活動による一過性の徴候または症状である. てんかんとは, てんかん発作を引き起こす持続性素因と, それによる神経生物学的, 認知的, 心理学的, 社会的な帰結を特徴とする脳の障害である」と定義した. てんかんの活動性有病率(5年以内にてんかん発作がある. あるいは抗てんかん薬を服用中である率)は一般人口1,000人あたり6.38人と報告されている. 日本の人口を1億2,500万人とすると治療を要するてんかん患者は約80万人と推測され, すなわちてんかんはcommon diseaseであるといえる. てんかんは漢字で「癲癇」と書く. 「癲」は気がふれる, 「癇」はすぐにかっとなるという意味があり, かつて, てんかんと精神病は混同されていた.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.17.108