ブラの新生機序と術後再発防止の検討
(目的)自然気胸の胸腔鏡手術は開胸術より再発が多い. 原因のひとつにブラ新生がある. ブラ新生の病態を明らかにする為, 術後再発例を詳細に調べ, 対策についても検討した. (対象)‘73-01での自然気胸治療総数は5402例(VATS3472例)である. ‘91-01での治療数は3318例(VATS2126例)である. (結果)第一期‘91-93はVATS290例中30例の再発(9. 7%). 第二期‘94-98は1134例中36例の再発(3. 2%). 第三期‘99-00は451例中26例の再発(5. 7%). 第二期の再発36例に対して胸腔鏡検査, 開胸術, 胸腔鏡手術によって原因を調べた...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 3; p. 159 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2003
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.25.3_159_1 |
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Summary: | (目的)自然気胸の胸腔鏡手術は開胸術より再発が多い. 原因のひとつにブラ新生がある. ブラ新生の病態を明らかにする為, 術後再発例を詳細に調べ, 対策についても検討した. (対象)‘73-01での自然気胸治療総数は5402例(VATS3472例)である. ‘91-01での治療数は3318例(VATS2126例)である. (結果)第一期‘91-93はVATS290例中30例の再発(9. 7%). 第二期‘94-98は1134例中36例の再発(3. 2%). 第三期‘99-00は451例中26例の再発(5. 7%). 第二期の再発36例に対して胸腔鏡検査, 開胸術, 胸腔鏡手術によって原因を調べた. ブラ見落とし14例, ブラ新生13例. 不明1例, 未確認8例. ブラ見落としはS1, S6に多く, ブラ新生はS1に多かった. ‘99-'00での再発26例に関して再発までの期間は術後3ヶ月以内が15例, 3-6ヶ月が4例, 6ヶ月以上が7例であった. (結論)ブラ新生例の特徴は切除線近傍の片側に発生し, 膜は薄く, 立ち上がりが急峻であり再発までの期間が短いことである. 防止法として, フレキシブル胸腔鏡を使い切除領域を大きくする. ブラ新生に対して付加的治療が必要である. ボール電極による切除周辺や微小気腫性病変の凝固法, 吸収性メッシュとフィブリングルーによるカバーリング法は臓側胸膜が器質化して胸膜肥厚が起こり, 胸壁と癒着はさせずに再発が抑制できる. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.25.3_159_1 |