6.クラミジア感染を契機に発症しBALにて肺胞出血の合併と判明したMDSの1例(第32回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会)
症例は82歳男性. 特発性血小板減少性紫斑病の診断でプレドニゾロン内服中であった. 某年4月初めより咳嗽出現. 近医にて胸部X線異常陰影指摘され, 当院紹介受診. 低酸素血症と両側上葉優位のスリガラス状陰影を指摘され, 咳嗽出現から約10日後, 精査・加療目的に入院となった. 入院時, 発熱・炎症反応の上昇認め, 感染症を疑い抗生剤投与開始. 一時的に陰影の増強および呼吸不全の進行を認めたが, 第4病日をピークに, 以後改善を認めた. 骨髄検査の再検を行い, 骨髄異形成症候群およびその白血化との診断変更となったため, 血小板数低下に対し血小板輸血施行. その後, 気管支鏡検査を行い, 呼吸不全...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 1; p. 76 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.29.1_76_1 |
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Summary: | 症例は82歳男性. 特発性血小板減少性紫斑病の診断でプレドニゾロン内服中であった. 某年4月初めより咳嗽出現. 近医にて胸部X線異常陰影指摘され, 当院紹介受診. 低酸素血症と両側上葉優位のスリガラス状陰影を指摘され, 咳嗽出現から約10日後, 精査・加療目的に入院となった. 入院時, 発熱・炎症反応の上昇認め, 感染症を疑い抗生剤投与開始. 一時的に陰影の増強および呼吸不全の進行を認めたが, 第4病日をピークに, 以後改善を認めた. 骨髄検査の再検を行い, 骨髄異形成症候群およびその白血化との診断変更となったため, 血小板数低下に対し血小板輸血施行. その後, 気管支鏡検査を行い, 呼吸不全および胸部のスリガラス状陰影の原因は肺胞出血のためであったことが半明した. 後日, ペア血清にてクラミジアニューモニア感染が疑われ, クラミジア感染に伴う肺胞出血と推測された. 若干の文献考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.1_76_1 |