23.肺放線菌症で閉塞性肺炎を発症した1例(第119回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は51歳男性, 20~40本の喫煙歴があった. 既往歴は特記なし, 長引く血痰で受診した. 発熱, 咳はなかった. 炎症反応の上昇はなかったが胸部CTの陰影では中枢側の気道の閉塞と末梢へ広がる浸潤影, 胸膜肥厚がみられ閉塞性肺炎が疑われた. 閉塞性肺炎の原因として肺癌を疑い気管支鏡検査を行った. 検査で左気管支B10入口部は壁外性の圧排があり, 狭窄部より膿の流出があった. 粘膜所見では入田部で縦走装の一部が途切れ, 隆起した粘膜表面は白色の網目状を呈していた. 擦過細胞診は陰性であった. 粘膜不整の原因確認のため肺炎の陰影が消失した時期に再度気管支鏡検査を行った. 狭窄は軽度になっており...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 1; pp. 70 - 71
Main Authors 内海, 啓子, 横瀬, 智之, 常松, 一恵, 飯島, 弘晃, 橋本, 幾太, 雨宮, 隆太, 鏑木, 孝之, 斉藤, 仁昭, 内田, 好明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.1_70_6

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Summary:症例は51歳男性, 20~40本の喫煙歴があった. 既往歴は特記なし, 長引く血痰で受診した. 発熱, 咳はなかった. 炎症反応の上昇はなかったが胸部CTの陰影では中枢側の気道の閉塞と末梢へ広がる浸潤影, 胸膜肥厚がみられ閉塞性肺炎が疑われた. 閉塞性肺炎の原因として肺癌を疑い気管支鏡検査を行った. 検査で左気管支B10入口部は壁外性の圧排があり, 狭窄部より膿の流出があった. 粘膜所見では入田部で縦走装の一部が途切れ, 隆起した粘膜表面は白色の網目状を呈していた. 擦過細胞診は陰性であった. 粘膜不整の原因確認のため肺炎の陰影が消失した時期に再度気管支鏡検査を行った. 狭窄は軽度になっており, 膿もみられなかったが, 粘膜不整は前回と変わらずみられた. B10入口部でブラシ擦過, 生検を行った. 擦過と組織検体で放線菌の菌塊がみられ, 肺放線菌症と診断した. 閉塞性肺炎を発症した肺放線菌症の1例を経験したので報告した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.1_70_6