23.気管原発腺様嚢胞癌の1例(第18回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

【緒言】原発性気管癌は稀な疾患であり, その発生頻度は全悪性腫瘍の0.04%程度と報告されている. 気管原発腺様嚢胞癌に対して気管管状切除を施行した1例を経験したので報告する. 【症例】70歳代, 女性. 【主訴】湿性咳嗽. 【現病歴】数カ月前から湿性咳嗽を自覚し当院の救急外来を受診された. 救急外来で胸部X線検査などを施行され, 抗菌薬を処方され帰宅となった. その後, 症状が改善しないため翌週に当科を受診された. 【経過】軽度の喘鳴を伴っており, 胸部CTにて気管に約30mm大の内腔へ突出する腫瘤陰影を認めた. 気管支鏡検査では気管入口部から約5cmの部位に広基性の腫瘍を認めた. 生検にて...

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Published in気管支学 Vol. 32; no. 2; p. 200
Main Authors 渋川, 昇平, 松尾, 潔, 工藤, 健一郎, 水田, 真琴, 藤原, 慶一, 米井, 敏郎, 佐藤, 利雄, 重松, 久之, 安藤, 陽夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:【緒言】原発性気管癌は稀な疾患であり, その発生頻度は全悪性腫瘍の0.04%程度と報告されている. 気管原発腺様嚢胞癌に対して気管管状切除を施行した1例を経験したので報告する. 【症例】70歳代, 女性. 【主訴】湿性咳嗽. 【現病歴】数カ月前から湿性咳嗽を自覚し当院の救急外来を受診された. 救急外来で胸部X線検査などを施行され, 抗菌薬を処方され帰宅となった. その後, 症状が改善しないため翌週に当科を受診された. 【経過】軽度の喘鳴を伴っており, 胸部CTにて気管に約30mm大の内腔へ突出する腫瘤陰影を認めた. 気管支鏡検査では気管入口部から約5cmの部位に広基性の腫瘍を認めた. 生検にて腺様嚢胞癌と診断された. PET/CT検査を含むstagingにて他臓器への進展を認めなかったため全麻下に気管管状切除-気管形成術を施行した. 手術は左側臥位, 右第4肋間よりアプローチし, 5軟骨輪を切除した. 術後, 問題となる合併症なく経過し自他覚症状は軽快した. 病理学的には気管断端は両側陽性であり気管外壁にも腫瘍の浸潤を認めた. 断端陽性のため追加治療として, 放射線療法を施行した. 文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.2_200_4