気道閉塞を来した肺全摘後再発肺癌に対してテンポラリーステント後気管分岐部切除を施行した1例(第25回日本気管支学会総会)
肺癌の術後再発例で再切除の適応となることは比較的少ない. 今回, 右肺全摘後気管支断端再発による気道閉塞を来した再発肺癌に対して, 経気管支鏡的レーザー ステント療法により, 気道確保の後, 気管分岐部管状切除が可能であった症例を経験したので報告する. 症例は68歳, 男性. 14年前に右下葉切除術の既往あり. 2000年4月ごろから, 咳嗽, 喘鳴を来し, 右無気肺が進行した. 6月に他院で, 中間気管支幹付近原発の腺癌に対して, 右残存肺全摘を施行された. 2001年5月より, 呼吸困難が出現し, 6月当院再入院となった. 右気管支断端から気管内腔へ突出し, ほぼ内腔を閉塞する腫瘤を認めた...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 24; no. 3; p. 252 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2002
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.24.3_252_2 |
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Summary: | 肺癌の術後再発例で再切除の適応となることは比較的少ない. 今回, 右肺全摘後気管支断端再発による気道閉塞を来した再発肺癌に対して, 経気管支鏡的レーザー ステント療法により, 気道確保の後, 気管分岐部管状切除が可能であった症例を経験したので報告する. 症例は68歳, 男性. 14年前に右下葉切除術の既往あり. 2000年4月ごろから, 咳嗽, 喘鳴を来し, 右無気肺が進行した. 6月に他院で, 中間気管支幹付近原発の腺癌に対して, 右残存肺全摘を施行された. 2001年5月より, 呼吸困難が出現し, 6月当院再入院となった. 右気管支断端から気管内腔へ突出し, ほぼ内腔を閉塞する腫瘤を認めた. 気道狭窄症状進行のため, 緊急に, 硬性気管支鏡施行し, HFJV併用して, Ho-YAG laserおよびdebulkingにて気道内腔を得, covered Ultraflex Stentを留置して, 呼吸困難を解消した. 後日, 局麻下右胸腔鏡を施行し, 胸膜播種なく, 再切除可能と判断した. ステント留置23日後, 硬性気管支鏡下にステントを抜去し, 右開胸し心左主気管支および気管を切離し, 気管分岐部管状切除を行い, 端々吻合した. さらに, 横隔膜筋弁で被覆した. 病理組織所見では, 中分化腺癌で断端陰性であった. 合併症なく経過し, 術後21日目に軽快退院した. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_252_2 |