19. 薬剤溶出性冠動脈ステント留置後に発症したと考えられる間質性肺炎の1例(第120回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は76歳女性. 64歳時に労作性狭心症からPTCAを受け, 以後内科的治療で経過観察されていた. 2006年9月に冠動脈再狭窄のため薬剤溶出性冠動脈ステント留置術が施行された. 11月頃より慢性下痢症状が出現. 12月より全身に掻痒感を伴う皮疹出現. 2007年1月に入り労作時呼吸困難感を自覚. 両側下葉優位の全肺野におよぶ, びまん性斑状浸潤影を認め, 胸部CTにて気管支血管束に沿い, 非区域性に広がる陰影を呈し, 臨床経過も考慮して薬剤性肺炎が疑われた. 薬剤溶出ステントには免疫抑制剤であるシロリムスが塗られており, 金属の他, シロリムスによる薬剤性アレルギーにも注意が必要であり,...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 3; p. 209 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2007
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.29.3_209_3 |
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Summary: | 症例は76歳女性. 64歳時に労作性狭心症からPTCAを受け, 以後内科的治療で経過観察されていた. 2006年9月に冠動脈再狭窄のため薬剤溶出性冠動脈ステント留置術が施行された. 11月頃より慢性下痢症状が出現. 12月より全身に掻痒感を伴う皮疹出現. 2007年1月に入り労作時呼吸困難感を自覚. 両側下葉優位の全肺野におよぶ, びまん性斑状浸潤影を認め, 胸部CTにて気管支血管束に沿い, 非区域性に広がる陰影を呈し, 臨床経過も考慮して薬剤性肺炎が疑われた. 薬剤溶出ステントには免疫抑制剤であるシロリムスが塗られており, 金属の他, シロリムスによる薬剤性アレルギーにも注意が必要であり, ここに若干の文献的考察とともに報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.3_209_3 |