5.肺癌局所再発の診断にEBUS-TBNAが有用であった1例(第135回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は57歳男性. 1997年1月, 両側気腫性肺嚢胞にて肺容積減少手術(LVRS)施行. その際の永久病理標本にて, 右肺の嚢胞壁に4mm大の結節が発見され, 腺癌と診断された. その後, 1998年に脳転移を認め, 同部位にγ-ナイフ施行. 以降, 近医にて経過観察となり, 無治療にて無再発を維持していた. 2010年5月, 胸部X線にて右上肺野に異常陰影を認めたため, 当院紹介. 胸部CT上, 37×33mm大の腫瘍が右S1の縦隔側, 気管上部の近傍に存在した. また, 腫瘍内部には金属が存在し, 前回手術時の切除断端部と考えられた. この腫瘍に対し, EBUS-TBNAを施行したところ...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 33; no. 2; pp. 129 - 130
Main Authors 本多, 英俊, 長瀬, 清亮, 野村, 将春, 岩崎, 賢太郎, 大平, 達夫, 垣花, 昌俊, 臼田, 実男, 山口, 学, 西條, 天基, 牧野, 洋二郎, 池田, 徳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2011
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.33.2_129_5

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Summary:症例は57歳男性. 1997年1月, 両側気腫性肺嚢胞にて肺容積減少手術(LVRS)施行. その際の永久病理標本にて, 右肺の嚢胞壁に4mm大の結節が発見され, 腺癌と診断された. その後, 1998年に脳転移を認め, 同部位にγ-ナイフ施行. 以降, 近医にて経過観察となり, 無治療にて無再発を維持していた. 2010年5月, 胸部X線にて右上肺野に異常陰影を認めたため, 当院紹介. 胸部CT上, 37×33mm大の腫瘍が右S1の縦隔側, 気管上部の近傍に存在した. また, 腫瘍内部には金属が存在し, 前回手術時の切除断端部と考えられた. この腫瘍に対し, EBUS-TBNAを施行したところ, 病理組織診断の結果は腺癌で, 組織学的にも13年前の手術の際の病変の再発が強く疑われた. 現在, 外来化学療法中である. EBUS-TBNAは主に縦隔リンパ節病変への診断に有用とされているが, 腫瘍の部位によっては原発巣診断にも有用である1例を経験したので, 報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.2_129_5