9.喫煙が契機として考えられた急性好酸球性肺炎の1例(第31回 日本呼吸器内視鏡学会北海道支部会)

• Published in: 気管支学 Vol. 32; no. 1; p. 82
• Main Authors: 本庄, 統, 斎, 圭太郎, 兼子, 聡, 森, 雅樹, 平尾, 智美, 吉岡, 明日香, 加藤, 隆, 簑島, 敦志, 岩口, 佳史, 市原, 真, 村岡, 俊二
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2010; 日本呼吸器内視鏡学会
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.32.1_82_2

症例は20歳女性. 急激な発熱・全身倦怠感・呼吸苦を認め前医受診, 細菌性肺炎の診断にて抗生剤投与され帰宅するも改善なく, 夜間急病センターを受診し, 当院に緊急搬送となった. 来院時SpO2 88（room air）と低酸素血症を認め, 胸部CT上ほぼ全肺野にスリガラス様陰影と小葉間隔壁の肥厚, 軽度の胸水を認めた. 同日気管支肺胞洗浄・経気管支肺生検を施行し肺胞洗浄液中の細胞数および好酸球の著明な増加と, 病理組織での胞隔, 気腔内の好酸球の出現を認め, 急性好酸急性肺炎の診断となった. ステロイド投与後, 臨床症状・胸部画像所見の著明な改善を認め, 第10病日に退院した. 以後再発は認めていない. 2週間前に初めて喫煙したということであり, 喫煙が契機として考えられた症例であった. 成人呼吸窮迫症候群・感染症と鑑別するために気管支肺胞洗浄・経気管支肺生検を行い診断に有用であった1症例である. 臨床像・画像所見・治療についての若干の文献的考察を加えながら報告する.