4.珪肺卵殻状石灰化リンパ節と気管支壁の瘻孔を認めたアスペルギルス症の1例(第127回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は73歳男性. 糖尿病性腎症による慢性腎不全のため他院にて透析中. 珪肺のため当院でじん肺健康診断を年1回受けていた. 2008年の定期健診にて右上肺野腫瘤影の増大を認め呼吸器内科紹介受診. その後発熱したため入院精査となった. 抗生剤使用にて腫瘤影縮小したが喀血認めたため気管支鏡施行した. その結果, 出血所見は認めなかったが中間幹縦隔側に結節性病変を認め, 鉗子で病変を摘出すると瘻孔と考えられる陥凹所見を認めた. 摘出病変は粘液様であり病理所見では, 気管支上皮や好中球浸潤を伴い. 一般細菌の他にアスペルギルスと思われる糸状真菌が比較的多くみられた. 瘻孔の位置は胸部CT上, 中間幹と...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 2; p. 112 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2009
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.31.2_112_4 |
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Summary: | 症例は73歳男性. 糖尿病性腎症による慢性腎不全のため他院にて透析中. 珪肺のため当院でじん肺健康診断を年1回受けていた. 2008年の定期健診にて右上肺野腫瘤影の増大を認め呼吸器内科紹介受診. その後発熱したため入院精査となった. 抗生剤使用にて腫瘤影縮小したが喀血認めたため気管支鏡施行した. その結果, 出血所見は認めなかったが中間幹縦隔側に結節性病変を認め, 鉗子で病変を摘出すると瘻孔と考えられる陥凹所見を認めた. 摘出病変は粘液様であり病理所見では, 気管支上皮や好中球浸潤を伴い. 一般細菌の他にアスペルギルスと思われる糸状真菌が比較的多くみられた. 瘻孔の位置は胸部CT上, 中間幹と#7リンパ節の接する部位であった. 今回我々はリンパ節と気管支壁の間にアスペルギルス感染のため瘻孔が形成された症例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.31.2_112_4 |