3.気管支鏡検体による組織型診断の妥当性と検査手技についての検討(第32回 日本呼吸器内視鏡学会北海道支部会)
【背景】非小細胞肺癌(NSCLC)の治療において, ペメトレキセドや抗IGF-1受容体抗体の効果が組織型によって異なることが報告され, 組織型が治療方針の決定に重要であると考えられる. 進行期肺癌では, 気管支鏡検体などの微小検体で組織型を推定しなければならないが, その診断精度に関しての検討は少ない. 【目的】気管支鏡検体による組織型診断の妥当性を評価するため, 同一腫瘍の外科的切除検体による組織型診断を評価基準とし, 気管支鏡検体で『扁平上皮癌とは診断されないNSCLC』を『非扁平上皮癌(non-Sq)』と仮定した場合の両者の一致割合を検討した. 【対象】2006年1月から2009年8月に...
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Published in | 気管支学 Vol. 33; no. 1; pp. 58 - 59 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2011
日本呼吸器内視鏡学会 |
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Summary: | 【背景】非小細胞肺癌(NSCLC)の治療において, ペメトレキセドや抗IGF-1受容体抗体の効果が組織型によって異なることが報告され, 組織型が治療方針の決定に重要であると考えられる. 進行期肺癌では, 気管支鏡検体などの微小検体で組織型を推定しなければならないが, その診断精度に関しての検討は少ない. 【目的】気管支鏡検体による組織型診断の妥当性を評価するため, 同一腫瘍の外科的切除検体による組織型診断を評価基準とし, 気管支鏡検体で『扁平上皮癌とは診断されないNSCLC』を『非扁平上皮癌(non-Sq)』と仮定した場合の両者の一致割合を検討した. 【対象】2006年1月から2009年8月に当院で気管支鏡検体によりNSCLCと診断され, 切除術が施行された135例. 128例で経気管支生検. 101例で擦過細胞診. 5例で経気管支針生検が行われた. 【結果】気管支鏡検査で扁平上皮癌(Sq)と診断された32例中, 術後Sqと診断されたものが29例, Sq以外のNSCLCが2例, 小細胞癌(Sm)が1例であった. 一方, 気管支鏡検査でnon-Sqと診断された103例中, 術後Sq以外のNSCLCが93例, Sq9例, Sm1例であった. 気管支鏡検査全体のSqの陽性予測値は90.6%で, non-Sqの陽性予測値は90.3%であった. 【結語】気管支鏡検体を用いたSq, non-Sqの組織型診断は妥当であると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.1_58_4 |