24.高周波スネアにて除去し得た気管内平滑筋腫の1例(第31回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は21歳女性. 約3年前より気管支喘息として近医にてBDP 200ug/dayによる治療を受けていた. 2008年5月初旬より労作時呼吸苦を, その数日後より発声困難感を自覚, 2008年5月中旬に39℃の発熱あり近医受診. 胸部X線, 胸部CT, 気管支内視鏡にて気管内腫瘍による気管内腔の狭窄が認められたため, 精査加療目的に同日当科緊急入院となった. 頸部聴診にて吸気呼気時に狭窄音を聴取し, 肺機能検査ではFVC 2.61l, %FVC 69.2%, FEV1.0 0.95l, FEV1.0%36.40%と混合性肺機能障害を認めた. 胸部造影CTでは気管分岐部から約2.5cm頭側の気管...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 30; no. 6; p. 417 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2008
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.30.6_417_2 |
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Summary: | 症例は21歳女性. 約3年前より気管支喘息として近医にてBDP 200ug/dayによる治療を受けていた. 2008年5月初旬より労作時呼吸苦を, その数日後より発声困難感を自覚, 2008年5月中旬に39℃の発熱あり近医受診. 胸部X線, 胸部CT, 気管支内視鏡にて気管内腫瘍による気管内腔の狭窄が認められたため, 精査加療目的に同日当科緊急入院となった. 頸部聴診にて吸気呼気時に狭窄音を聴取し, 肺機能検査ではFVC 2.61l, %FVC 69.2%, FEV1.0 0.95l, FEV1.0%36.40%と混合性肺機能障害を認めた. 胸部造影CTでは気管分岐部から約2.5cm頭側の気管内に気管膜様部から左側壁にかけて接する内部が均一で, 嚢胞性領域や石灰化は認めず, また血流に乏しい有茎性の12×10×10mm大の辺縁平滑な腫瘤を認めた. 気管支鏡検査では, 気管内腔膜様部左側に表面白色で光沢を有する有茎性ポリープ様病変を認めた. これに対し診断及び治療目的に高周波スネアを用いて内視鏡的に除去した. 病理学的検査より気管内平滑筋腫と診断した. 治療後自覚症状の改善を認め, 肺機能検査においてもFVC 2.83l, %FVC 96.6%, FEV1.0 2.30l, FEV1.0% 81.27%と著明な改善が得られた. 今回我々は気管内平滑筋腫に内視鏡的治療を施行し自覚症状, 他覚所見の改善が得られた症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.30.6_417_2 |