6.気管支喘息の治療を受けていた声門下狭窄の1例(第128回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は36歳女性. 5年前より息切れを自覚し, 3年前喘鳴および発作性の呼吸困難を起こし, 近医にて気管支喘息として治療を受けていた. 2か月前より症状の増悪を認めたため, 同院にて治療の強化がされたが改善せず, 当院を紹介され受診した. 当院受診時, 聴診上, 吸気・呼気にて連続性ラ音が聴取された. 呼吸機能検査では閉塞性換気障害に加え, フローボリューム曲線で上気道狭窄を示唆する所見を示した. CTにて輪状軟骨下部近傍より気管内腔への膜状隆起陰影を認め, 気管支鏡にて, 声門下約2.5cmに全周性の表面が比較的滑らかな膜状の気管狭窄物を認めた. 同部生検の病理像では特異的所見は認められなか...

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Published in気管支学 Vol. 31; no. 4; p. 260
Main Authors 貞方, 里奈子, 杣, 知行, 杉谷, 郁子, 武者, 育麻, 加賀, 亜希子, 山口, 剛史, 永田, 真, 萩原, 弘一, 金澤, 實, 三戸, 聖也, 酒井, 文和, 田山, 二朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:症例は36歳女性. 5年前より息切れを自覚し, 3年前喘鳴および発作性の呼吸困難を起こし, 近医にて気管支喘息として治療を受けていた. 2か月前より症状の増悪を認めたため, 同院にて治療の強化がされたが改善せず, 当院を紹介され受診した. 当院受診時, 聴診上, 吸気・呼気にて連続性ラ音が聴取された. 呼吸機能検査では閉塞性換気障害に加え, フローボリューム曲線で上気道狭窄を示唆する所見を示した. CTにて輪状軟骨下部近傍より気管内腔への膜状隆起陰影を認め, 気管支鏡にて, 声門下約2.5cmに全周性の表面が比較的滑らかな膜状の気管狭窄物を認めた. 同部生検の病理像では特異的所見は認められなかった. 内科的治療による効果が期待されないと考えられ, 耳鼻科にて喉頭截開, 瘢痕部切除が施行された. 治療抵抗性の気管支喘息の鑑別には, 器質的気道狭窄を考慮すべきと考えられ, 報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.4_260_1