9. 肺野結節陰影が短期間でリング状陰影に変化し肺癌と鑑別を要したサルコイドーシスの1例(第16回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は56歳. 女性, 主婦, 喫煙歴なし. 検診で胸部異常陰影を指摘され近医を受診した. 胸部X線で肺門部腫大, 腹部超音波検査で腹腔内リンパ節腫大を疑われ当院内科を紹介された. PET検査で腹腔内により強い集積を認めたため, 外科的に腹腔内リンパ節生検を施行し, サルコイドーシスと診断され経過観察されていた. その6か月後の胸部CTで右下葉に結節陰影を指摘され当科を紹介された. 当科紹介から1か月後の経過観察CTで陰影はリング状に変化し増大していたため, 気管支鏡検査を施行した. 気管支肺胞洗浄液の総細胞数は1.0×105/ml, 細胞分画は肺胞マクロファージ84.5%, リンパ球14.5...

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Published in気管支学 Vol. 30; no. 3; p. 158
Main Authors 上原, 留美, 葉久, 貴司, 米田, 和夫, 新川, 邦浩, 坂東, 弘康, 住友, 正幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2008
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:症例は56歳. 女性, 主婦, 喫煙歴なし. 検診で胸部異常陰影を指摘され近医を受診した. 胸部X線で肺門部腫大, 腹部超音波検査で腹腔内リンパ節腫大を疑われ当院内科を紹介された. PET検査で腹腔内により強い集積を認めたため, 外科的に腹腔内リンパ節生検を施行し, サルコイドーシスと診断され経過観察されていた. その6か月後の胸部CTで右下葉に結節陰影を指摘され当科を紹介された. 当科紹介から1か月後の経過観察CTで陰影はリング状に変化し増大していたため, 気管支鏡検査を施行した. 気管支肺胞洗浄液の総細胞数は1.0×105/ml, 細胞分画は肺胞マクロファージ84.5%, リンパ球14.5%, 好中球1.5%, CD4/8比5.8であった. TBLBで腺癌の診断を得たためサルコイドーシスに合併した肺癌と診断し右下葉切除を施行したが, その病理所見はサルコイドーシスに一致するものであった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.30.3_158_3