34.両側に同時多発かつ,びまん性の病変を認めた扁平上皮癌の1例(第17回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は80歳・男性. 2008年7月, 住民検診で胸部異常陰影(線維化病変)を指摘され, 喀痰細胞診でclass IIIBを検出されたため, 紹介入院した. 聴診上, 両側で軽度の乾性ラ音を聴取したが, 胸部X線および胸部CTでは肺癌を疑う陰影を認めず, 気管支鏡検査を施行した. 左側は主気管支から上・下葉分岐部を越え, 底幹にかけて白苔を伴った小隆起性病変を断続的に多数認め, B6入口部は腫瘍で閉塞していた. 左上区, 右B6入口部にも同様の小隆起性病変を認めた. 左右3ヵ所で生検し, すべての検体から扁平上皮癌を検出した. PET-CTにおいても, 左右の病変が気管支に沿うように描出された...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 3; p. 177
Main Authors 玉置, 明彦, 小谷, 剛士, 朝倉, 里都子, 三宅, 俊嗣, 西井, 研治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.31.3_177_1

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Summary:症例は80歳・男性. 2008年7月, 住民検診で胸部異常陰影(線維化病変)を指摘され, 喀痰細胞診でclass IIIBを検出されたため, 紹介入院した. 聴診上, 両側で軽度の乾性ラ音を聴取したが, 胸部X線および胸部CTでは肺癌を疑う陰影を認めず, 気管支鏡検査を施行した. 左側は主気管支から上・下葉分岐部を越え, 底幹にかけて白苔を伴った小隆起性病変を断続的に多数認め, B6入口部は腫瘍で閉塞していた. 左上区, 右B6入口部にも同様の小隆起性病変を認めた. 左右3ヵ所で生検し, すべての検体から扁平上皮癌を検出した. PET-CTにおいても, 左右の病変が気管支に沿うように描出された. 本症例の職業は米作主体の農業で, 喫煙歴は20本×60年の重喫煙者であった. 同時多発扁平上皮癌の症例は時に経験するが, その多くは数ヵ所の病変を有する症例であり, 本症例のごとく多発かつ, びまん性発症の症例は稀であり, 治療法の検討も加えて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.3_177_1