14.内視鏡下腫瘍部分切除後に根治的切除を行えた肺扁平上皮癌の1例(第31回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は64歳男性. 2007年12月より感冒様症状を認め近医を受診した. 胸部単純X線写真にて, 右上肺野に多発する小粒状影を認め, 気管支炎として治療を開始したところ症状は改善傾向となった. しかし, 本年2月の検査では粒状影は増強しており, 胸部CTにて右主気管支内に腫瘤状陰影, 右上下葉に小葉中心性の小粒状影が多数認められたため, 精査加療目的で当科紹介となった. 気管支鏡検査にて, 右上葉入口部よりせり出して右主気管支内腔を閉塞する腫瘤を認め, 生検にて扁平上皮癌の診断を得た. 右主気管支内側壁と腫瘤には癒着はなかったが, 閉塞部位より末梢側気管支内腔壁には大量の白色付着物を認めた....
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 30; no. 6; p. 415 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2008
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.30.6_415_1 |
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Summary: | 症例は64歳男性. 2007年12月より感冒様症状を認め近医を受診した. 胸部単純X線写真にて, 右上肺野に多発する小粒状影を認め, 気管支炎として治療を開始したところ症状は改善傾向となった. しかし, 本年2月の検査では粒状影は増強しており, 胸部CTにて右主気管支内に腫瘤状陰影, 右上下葉に小葉中心性の小粒状影が多数認められたため, 精査加療目的で当科紹介となった. 気管支鏡検査にて, 右上葉入口部よりせり出して右主気管支内腔を閉塞する腫瘤を認め, 生検にて扁平上皮癌の診断を得た. 右主気管支内側壁と腫瘤には癒着はなかったが, 閉塞部位より末梢側気管支内腔壁には大量の白色付着物を認めた. 硬性気管支鏡下腫瘍部分摘出術を施行後, 右下肺野の陰影は消失し呼吸状態は改善したため, cT2N2M0 stage IIIAの診断のもと, 右上葉切除術+気管支楔状切除術+気管支形成術+リンパ節郭清術が施行された. 切除検体で, 腫瘍は気管支軟骨より内側に限局し, pT2N0M0 stage IBの診断であった. 右上葉は全体に終末細気管支を中心とした幼弱な線維化を呈していた. 内視鏡下腫瘍部分切除後に右上葉切除+右主気管支形成術にて根治的切除を行えた症例として報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.30.6_415_1 |