4.両側多発結節で発症し,VATS生検で診断された肺ヒストプラズマ症の1例(第130回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は70歳代の男性. 2007年3月から2009年3月までグアテマラに滞在した. 2009年3月下旬, 帰国時検査の胸部X線写真で両側多発結節影を指摘され, 当科紹介受診. 胸部CTで胸膜直下に2~15mmの辺縁整, 境界明瞭な多発結節を認めた. 確定診断のため胸腔鏡下で左肺S8, S9部分切除術を施行した. 病理組織では, 結節は壊死主体で周囲にリンパ節浸潤を伴っており, 鑑別として壊死性肉芽腫, 平滑筋腫などの腫瘍壊死, リンパ節壊死などが考えられた. しかし一部の病巣に酵母型真菌の存在を認め, 真菌医学研究センターに精査依頼し, 肺ヒストプラズマ症と診断した. 8月上旬からITCZの内...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 6; p. 416 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2009
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.31.6_416_4 |
Cover
Summary: | 症例は70歳代の男性. 2007年3月から2009年3月までグアテマラに滞在した. 2009年3月下旬, 帰国時検査の胸部X線写真で両側多発結節影を指摘され, 当科紹介受診. 胸部CTで胸膜直下に2~15mmの辺縁整, 境界明瞭な多発結節を認めた. 確定診断のため胸腔鏡下で左肺S8, S9部分切除術を施行した. 病理組織では, 結節は壊死主体で周囲にリンパ節浸潤を伴っており, 鑑別として壊死性肉芽腫, 平滑筋腫などの腫瘍壊死, リンパ節壊死などが考えられた. しかし一部の病巣に酵母型真菌の存在を認め, 真菌医学研究センターに精査依頼し, 肺ヒストプラズマ症と診断した. 8月上旬からITCZの内服による治療を施行中である. 日本では稀な真菌症であるヒストプラズマ症に関して, 文献的考察を交えて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.31.6_416_4 |