9.肺癌精査中に発見された気管支内過誤腫の1例(第83回日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

症例は60歳男性. 歩行困難と複視を主訴に当院神経内科を受診. 精査にてLambert-Eaton症候群が疑われ, 胸部Xp, CT上縦隔リンパ節の腫大を認めたため, 当科紹介となった. 原発性肺癌の精査目的で気管支鏡検査を行ったところ, 左B5入口部に白色の隆起性病変を認め, また右B6入口部にも白色有茎性の隆起性病変を認めた. 前者からの生検で肺小細胞癌の診断を得たが, 後者は鉗子でほぼ切除され, 軟骨成分を含む気管支内過誤腫の診断となった. 気管支内過誤腫は肺過誤腫の15~8%と稀であり. 時に中枢気道の閉塞から閉塞性肺炎や無気肺の原因となり, また肺過誤腫には肺癌の合併が多いとの報告も...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 30; no. 5; p. 331
Main Authors 船田, 泰弘, 小林, 和幸, 河野, 祐子, 石井, 昇, 小谷, 義一, 笠井, 大介, 西村, 善博, 坂下, 明大, 岡本, 朱矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2008
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.30.5_331_3

Cover

More Information
Summary:症例は60歳男性. 歩行困難と複視を主訴に当院神経内科を受診. 精査にてLambert-Eaton症候群が疑われ, 胸部Xp, CT上縦隔リンパ節の腫大を認めたため, 当科紹介となった. 原発性肺癌の精査目的で気管支鏡検査を行ったところ, 左B5入口部に白色の隆起性病変を認め, また右B6入口部にも白色有茎性の隆起性病変を認めた. 前者からの生検で肺小細胞癌の診断を得たが, 後者は鉗子でほぼ切除され, 軟骨成分を含む気管支内過誤腫の診断となった. 気管支内過誤腫は肺過誤腫の15~8%と稀であり. 時に中枢気道の閉塞から閉塞性肺炎や無気肺の原因となり, また肺過誤腫には肺癌の合併が多いとの報告もある. 本症例では過誤腫は比較的小さかったため臨床症状を伴わず, 肺癌検査中に偶然発見された. 文献的考察を含め報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.30.5_331_3