23.軟性気管支鏡による気管支異物摘出に難渋した1例(第129回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は77歳, 男性. 歯科治療中に歯冠を誤嚥し当科紹介受診となった. 胸部X線, 胸部CT上, 歯冠は左底幹に存在していた. 全身麻酔下に軟性気管支鏡にて気管, 気管支内腔を観察すると, 画像所見と一致し歯冠を左底幹に認め, 異物摘出を試みた. 生検用鉗子を用い, 歯冠を挿管チューブ先端まで移動し, 鉗子にて歯冠を把持した状態で, 挿管チューブ抜去とともに歯冠摘出を試みたが, 口腔内で歯冠は転落した. 歯冠を口腔内より摘出を試みるが咽頭へ落ち込み, 気管支鏡での確認が不可能となり, X線を撮影したところ歯冠を食道入口部で確認した. 上部消化管内視鏡を用いて, 慎重に送気を行うと食道内で歯冠を...

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Published in気管支学 Vol. 31; no. 5; p. 341
Main Authors 和知, 尚子, 神崎, 正人, 坂本, 圭, 前田, 英之, 井坂, 珠子, 清水, 俊榮, 小山, 邦広, 村杉, 雅秀, 大貫, 恭正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:症例は77歳, 男性. 歯科治療中に歯冠を誤嚥し当科紹介受診となった. 胸部X線, 胸部CT上, 歯冠は左底幹に存在していた. 全身麻酔下に軟性気管支鏡にて気管, 気管支内腔を観察すると, 画像所見と一致し歯冠を左底幹に認め, 異物摘出を試みた. 生検用鉗子を用い, 歯冠を挿管チューブ先端まで移動し, 鉗子にて歯冠を把持した状態で, 挿管チューブ抜去とともに歯冠摘出を試みたが, 口腔内で歯冠は転落した. 歯冠を口腔内より摘出を試みるが咽頭へ落ち込み, 気管支鏡での確認が不可能となり, X線を撮影したところ歯冠を食道入口部で確認した. 上部消化管内視鏡を用いて, 慎重に送気を行うと食道内で歯冠を確認し, バスケット鉗子で歯冠を摘出した. 当科における歯冠による異物症例と合わせて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.5_341_3