46.当科で経験したまれな気管支分岐異常の4例(第17回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

肺外科手術の進歩は目覚ましく, 近年では胸腔鏡による低侵襲手術が一般化しつつある. 胸腔鏡手術の場合, 視野の制限や, 用手的な操作が行いにくいなど術者としてのストレスは大きい. 特に気管支, 血管の分岐異常を伴う肺切除症例では思わぬ損傷からトラブルを生じやすい. 最近当科で経験した肺癌に伴うまれな気管支分岐異常症例4例をまとめた. 【症例1】右上葉+右B6+左舌区の転位性気管支を合併した左下葉肺癌症例. 底区切除の予定であったが血管分岐異常の合併もあり, S10部分切除施行. 【症例2】右中葉の転位性気管支を合併した右上葉肺癌症例. 上中葉支が共通であり, また, 腫瘍が不全分葉を越えていた...

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Published in気管支学 Vol. 31; no. 3; p. 179
Main Authors 河北, 直也, 鳥羽, 博明, 山本, 洋太, 中川, 靖士, 滝沢, 宏光, 監崎, 孝一郎, 近藤, 和也, 先山, 正二, 丹黒, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2009
日本呼吸器内視鏡学会
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Summary:肺外科手術の進歩は目覚ましく, 近年では胸腔鏡による低侵襲手術が一般化しつつある. 胸腔鏡手術の場合, 視野の制限や, 用手的な操作が行いにくいなど術者としてのストレスは大きい. 特に気管支, 血管の分岐異常を伴う肺切除症例では思わぬ損傷からトラブルを生じやすい. 最近当科で経験した肺癌に伴うまれな気管支分岐異常症例4例をまとめた. 【症例1】右上葉+右B6+左舌区の転位性気管支を合併した左下葉肺癌症例. 底区切除の予定であったが血管分岐異常の合併もあり, S10部分切除施行. 【症例2】右中葉の転位性気管支を合併した右上葉肺癌症例. 上中葉支が共通であり, また, 腫瘍が不全分葉を越えていたため, 上中葉切除施行. 【症例3】左B1+2の転位性気管支を合併した左上葉肺癌症例. 術前にCTガイド下経気管支的にマーキングコイルを左B1+2より留置した後, 部分切除施行. 【症例4】右B2の転位性気管支を合併した右上葉肺癌症例. 上葉支とB2を別々に自動縫合器で切除し, 右上葉切除術施行. 右中葉の転位性気管支症例を除いては, 術前にthin-slice MDCTを施行しており, 3次元構築により異常を検出できた. 以上4症例から, 分岐異常気管支領域に発生した肺癌に対する手術に関して, 文献的考察も加えて報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.3_179_4