26.診断を悩んだ先天性気管支閉鎖症の1切除例(第127回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
20代女性. 生来健康で就職時の健康診断で胸部異常陰影を指摘された. 自覚症状はなく3ヵ月の経過観察で変化を認めなかった. 陰影は右下肺野に存在し, CTでB7の途絶を疑う所見があり, 末梢の粘液栓と周囲の気腫性変化を認めた. 以上より, 臨床的に気管支閉鎖症を疑ったが気管支鏡では可視範囲に明らかな異常を認めなかった. 本人の強い希望と合わせて手術となる. 小開胸下にS7を末梢側より切離し区域切除を行った. S7は下葉から分画されており, 肺分画症の可能性も考えられた. 手術診断に迷ったが, 摘出肺に弾性型の全身動脈を認めず, 病理学的に肺分画症を否定した. 嚢胞腔はmucoid impact...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 31; no. 2; p. 116 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2009
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.31.2_116_4 |
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Summary: | 20代女性. 生来健康で就職時の健康診断で胸部異常陰影を指摘された. 自覚症状はなく3ヵ月の経過観察で変化を認めなかった. 陰影は右下肺野に存在し, CTでB7の途絶を疑う所見があり, 末梢の粘液栓と周囲の気腫性変化を認めた. 以上より, 臨床的に気管支閉鎖症を疑ったが気管支鏡では可視範囲に明らかな異常を認めなかった. 本人の強い希望と合わせて手術となる. 小開胸下にS7を末梢側より切離し区域切除を行った. S7は下葉から分画されており, 肺分画症の可能性も考えられた. 手術診断に迷ったが, 摘出肺に弾性型の全身動脈を認めず, 病理学的に肺分画症を否定した. 嚢胞腔はmucoid impactionで占められ, 末梢気道と血管の対応は認められなかったが. 病態は気管支閉鎖症に最も近いと考えられた. 全身状態は良好で術後10日で退院している. 先天性嚢胞性肺疾患に関して, 文献的考察を含め報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.31.2_116_4 |