5.飛び降り自殺により外傷性瘢痕性気管狭窄をきたした1例(第76回日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)
症例は21歳, 女性. 精神発達遅延あり. 摂食障害の治療目的で前医に平成14年7月30日に入院した. 翌日病院3階より飛び降り自殺を図り, 両側気胸, 縦隔気腫, 両側大腿骨開放骨折, 右橈骨粉砕骨折を受傷した. 気管内挿管され人工呼吸管理をうけるも翌日離脱し抜管された. 8月25日より喘鳴を認め呼吸困難を訴えるようになった. 9月4日気管支鏡検査にて気管分岐部直上に全周性の高度な狭窄を認め, 治療目的に転院となった. 意識レベルの低下, 陥没呼吸を認め, 同日緊急的にバルーンによる気管拡張術を施行し, 症状の改善を認めた. 狭窄部の口側, 右壁に偽腔形成をみとめ, 外傷性気管損傷による変化...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 27; no. 1; pp. 83 - 84 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2005
日本呼吸器内視鏡学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.27.1_83_5 |
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Summary: | 症例は21歳, 女性. 精神発達遅延あり. 摂食障害の治療目的で前医に平成14年7月30日に入院した. 翌日病院3階より飛び降り自殺を図り, 両側気胸, 縦隔気腫, 両側大腿骨開放骨折, 右橈骨粉砕骨折を受傷した. 気管内挿管され人工呼吸管理をうけるも翌日離脱し抜管された. 8月25日より喘鳴を認め呼吸困難を訴えるようになった. 9月4日気管支鏡検査にて気管分岐部直上に全周性の高度な狭窄を認め, 治療目的に転院となった. 意識レベルの低下, 陥没呼吸を認め, 同日緊急的にバルーンによる気管拡張術を施行し, 症状の改善を認めた. 狭窄部の口側, 右壁に偽腔形成をみとめ, 外傷性気管損傷による変化と考えられた. 再狭窄の可能性が高く, 9月12日Y型Dumon stentを挿入した. その後特に合併症なく経過し, 約1年後Dumon stentを抜去した. 偽腔は消失し, 気管はやや狭窄状であったが呼吸には問題はなくその後再狭窄は認めていない. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.27.1_83_5 |