競技中における「気持ちが切れた」現象に関する質的研究
「序論および研究目的」競技者が自身の出場した競技会での経験について言及する際に, 「気持ちが切れた」という独特の表現を用いることがある. 競技者が「気持ちが切れた」という表現を使用することは数々のインタビュー記事が示している. 朝日新聞, 日本経済新聞, 毎日新聞, 読売新聞のデータベースを利用し, "気持ちが切れた" または "気持ちが切れて" をキーワードに記事検索をした結果, 1987年4月から2017年3月の間に発行された記事の内, 496件がヒットした. その内の159件では, 競技者自身が競技会について「気持ちが切れた」という表現を使用して言...
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Published in | スポーツ心理学研究 Vol. 45; no. 2; pp. 57 - 72 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本スポーツ心理学会
30.09.2018
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Summary: | 「序論および研究目的」競技者が自身の出場した競技会での経験について言及する際に, 「気持ちが切れた」という独特の表現を用いることがある. 競技者が「気持ちが切れた」という表現を使用することは数々のインタビュー記事が示している. 朝日新聞, 日本経済新聞, 毎日新聞, 読売新聞のデータベースを利用し, "気持ちが切れた" または "気持ちが切れて" をキーワードに記事検索をした結果, 1987年4月から2017年3月の間に発行された記事の内, 496件がヒットした. その内の159件では, 競技者自身が競技会について「気持ちが切れた」という表現を使用して言及していた. また, それらの記事からは, 競技中に「気持ちが切れた」ことによって競技者のパフォーマンスや競技成績が低下したことがうかがえる. 例えばスピードスケートの穂積雅子選手は「レース後半に (オランダ代表イレイン・ブスト選手と) 差が開いて気持ちが切れた. 」「今季で一番悪いタイム. 悔いの残るレースになってしまった. 」と述べた (nikkansports.com, 2013) . |
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ISSN: | 0388-7014 1883-6410 |
DOI: | 10.4146/jjspopsy.2018-1713 |