1.気管支鏡検査後に脳空気塞栓症を合併した1例(第121回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

今回気管支鏡検査(BAL+TBLB)後に脳空気塞栓症を発症した1例を報告する.症例は77歳男性.労作時呼吸困難にて呼吸器科受診,画像上間質性肺炎を認めた.間質性肺炎の診断目的にて気管支鏡検査(BAL+TBLB)を施行した.検査終了後,胸痛を訴えた後意識障害を突然発症した.ただちに救急外来に搬送し,頭部CT・MRIにて脳空気塞栓症と診断した.同日より高圧酸素療法を施行した.画像上脳空気塞栓症の改善を認めたが,意識レベルの改善をえることはできなかった.気管支鏡検査後の合併症としての脳空気塞栓症は検索し得た範囲では4例の報告があるにすぎない(本邦では今回が1例目).しかしながら発症した場合には非常に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 29; no. 4; p. 258
Main Authors 西井, 鉄平, 森川, 哲行, 宮崎, 健二, 正津, 晶子, 菊岡, 健太郎, 日比, 慎一郎, 打越, 暁, 赤川, 玄樹, 前原, 孝光, 国保, 成暁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2007
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.29.4_258_1

Cover

More Information
Summary:今回気管支鏡検査(BAL+TBLB)後に脳空気塞栓症を発症した1例を報告する.症例は77歳男性.労作時呼吸困難にて呼吸器科受診,画像上間質性肺炎を認めた.間質性肺炎の診断目的にて気管支鏡検査(BAL+TBLB)を施行した.検査終了後,胸痛を訴えた後意識障害を突然発症した.ただちに救急外来に搬送し,頭部CT・MRIにて脳空気塞栓症と診断した.同日より高圧酸素療法を施行した.画像上脳空気塞栓症の改善を認めたが,意識レベルの改善をえることはできなかった.気管支鏡検査後の合併症としての脳空気塞栓症は検索し得た範囲では4例の報告があるにすぎない(本邦では今回が1例目).しかしながら発症した場合には非常に重篤な経過をたどるため,痙攣・意識障害等の症状が出現した場合は空気塞栓の可能性を考慮してただちに適切な対応を開始すべきである.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.4_258_1