医療現場における個人情報保護と利活用の現状と将来展望~個人情報保護法,倫理指針,次世代医療基盤法の理解を踏まえて

「1. はじめに」 2015年9月の「個人情報の保護に関する法律(以下, 個情法)」改正に伴い, 医療や臨床研究における個人情報保護規定の改正が進められた. 臨床研究においては「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(以下, 倫理指針)」の改正がそれにあたる. 具体的には, これまで連結不可能匿名化された試料・情報を用いた研究(病歴等を含む診療情報を用いた研究など)の場合, 同意取得の手続きが不要とされていたが, 3)個情法改正により一定の条件下でのオプトアウトが許容されつつも原則本人同意が求められることとなった. その一方で2018年5月に施行された「次世代医療基盤法(正式名称: 医療分野...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 141; no. 2; pp. 187 - 191
Main Authors 内倉, 健, 百, 賢二, 佐々木, 忠徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.02.2021
日本薬学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「1. はじめに」 2015年9月の「個人情報の保護に関する法律(以下, 個情法)」改正に伴い, 医療や臨床研究における個人情報保護規定の改正が進められた. 臨床研究においては「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(以下, 倫理指針)」の改正がそれにあたる. 具体的には, これまで連結不可能匿名化された試料・情報を用いた研究(病歴等を含む診療情報を用いた研究など)の場合, 同意取得の手続きが不要とされていたが, 3)個情法改正により一定の条件下でのオプトアウトが許容されつつも原則本人同意が求められることとなった. その一方で2018年5月に施行された「次世代医療基盤法(正式名称: 医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律)」は, 医療分野の研究開発のため患者一人ひとりの医療情報を医療機関から集め利活用することを目的としている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.20-00196-5