方略としてのKJ法とWorld Caféがもたらす学習効果の比較 ─テキストマインニングを用いた考察

「目的」 わが国の中学校・高等学校教育は学習目標が明確であり, 受動的な学習方略がほとんどを占めている. 加えて, 多くの大学入学試験が論述・客観試験を中心としているため, 学生は, 問題を与えられ, あらかじめ定められた答えを導くことに慣れている. しかし, 近年の大学教育には, 将来予測が困難な時代において, 答えのない問題に対して自ら解を見い出していく主体的な能力や, 自らの責任を果たし, 他者との協調性を発揮できる社会能力を身に付けさせることが強く求められている. この, 高等学校までの教育で身に付いた受動的学習態度に加えて, 社会人として求められる能動的学習態度を身に付けさせることが...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 135; no. 5; pp. 753 - 759
Main Authors 安原, 智久, 曽根, 知道, 小西, 元美, 串畑, 太郎, 西川, 智絵, 山本, 祐実, 栗尾, 和佐子, 河野, 武幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 2015
日本薬学会
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Summary:「目的」 わが国の中学校・高等学校教育は学習目標が明確であり, 受動的な学習方略がほとんどを占めている. 加えて, 多くの大学入学試験が論述・客観試験を中心としているため, 学生は, 問題を与えられ, あらかじめ定められた答えを導くことに慣れている. しかし, 近年の大学教育には, 将来予測が困難な時代において, 答えのない問題に対して自ら解を見い出していく主体的な能力や, 自らの責任を果たし, 他者との協調性を発揮できる社会能力を身に付けさせることが強く求められている. この, 高等学校までの教育で身に付いた受動的学習態度に加えて, 社会人として求められる能動的学習態度を身に付けさせることが大学教育の使命の1つであると言える. さらに, 医療系学部では, 患者や生活者のQuality of Lifeに係わる問題解決を担うことや, チーム医療において協調性と専門性の積極的な発揮が求められている. 学部における初年次教育の重要な役割の1つは, 能動的・協調的・積極的な学習への学生の意識変換が挙げられる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.14-00229