独居高齢者の調理状況タイプの分類と食事内容の関連 クラスター分析を用いた検討

【目的】適切な食事には調理等の準備が必要である。独居高齢者の調理状況を分類し,食事内容との関連を検討した。【方法】2013年9~12月,埼玉県坂戸市の独居高齢者135名 (男性60名,女性75名) に,質問紙と3日間の食事記録を行ったデータを用いた横断研究である。調理状況 (21項目) は食事記録の料理ごとに1項目をあてはめ,3日間の出現回数を用い,男女別にクラスター分析にて調理状況タイプを分類した。各タイプの特性,栄養素等摂取量,料理区分別サービング (SV) 数,主食・主菜・副菜を組み合わせた日数,食品摂取多様性スコア (DVS) をFisherの正確確率検定,Kruskal-Wallis...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 81; no. 6; pp. 319 - 334
Main Authors 石川, みどり, 武見, ゆかり, 林, 芙美, 外川, 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.12.2023
日本栄養改善学会
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.81.319

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Summary:【目的】適切な食事には調理等の準備が必要である。独居高齢者の調理状況を分類し,食事内容との関連を検討した。【方法】2013年9~12月,埼玉県坂戸市の独居高齢者135名 (男性60名,女性75名) に,質問紙と3日間の食事記録を行ったデータを用いた横断研究である。調理状況 (21項目) は食事記録の料理ごとに1項目をあてはめ,3日間の出現回数を用い,男女別にクラスター分析にて調理状況タイプを分類した。各タイプの特性,栄養素等摂取量,料理区分別サービング (SV) 数,主食・主菜・副菜を組み合わせた日数,食品摂取多様性スコア (DVS) をFisherの正確確率検定,Kruskal-Wallis検定にて比較した。【結果】男性は「煮炊・漬ける型」6名,「煮炊・一次加工食品型」20名,「なべ物型」26名,「購入型」8名の4タイプ,女性は「煮炊・漬ける型」32名,「購入型」10名,「煮炊・一次加工食品型」33名の3タイプに分類された。煮炊・一次加工食品型において,男性では他のタイプに比して副菜と牛乳・乳製品のSV数,カルシウムが,なべ物型に比して主食・主菜・副菜を組み合わせた日数とDVSが4点以上の者が多く,女性では他のタイプに比して主菜のSV数,食物繊維総量が,煮炊・漬ける型に比して牛乳・乳製品のSV数,カルシウム摂取量が多かった。【結論】煮る・炊くといった調理と一次加工食品の利用を組み合わせた食事の準備は,多様な料理や複数のビタミン・ミネラルを多く含む食事につながると示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.81.319