モガムリズマブの開発からバイオマーカーを用いた至適治療法の確立を目指して:アカデミアの立場から

「1. はじめに」 ヒトT細胞白血病ウイルス(human T-lymphotropic virus type-1; HTLV-1)の持続感染により引き起こされる成人T細胞性白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma; ATLL), 及び末梢性T細胞性リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma; PTCL)は, 難治性の成熟T細胞腫瘍である. 中でもATLLの急性型やリンパ腫型は, 特に予後不良であり, 日本臨床腫瘍研究グループ(Japan Clinical Oncology Group; JCOG)リンパ腫グループにおいて開発されたmod...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 135; no. 5; pp. 663 - 669
Main Authors 飯田, 真介, 石田, 高司, 上田, 龍三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.05.2015
日本薬学会
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Summary:「1. はじめに」 ヒトT細胞白血病ウイルス(human T-lymphotropic virus type-1; HTLV-1)の持続感染により引き起こされる成人T細胞性白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma; ATLL), 及び末梢性T細胞性リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma; PTCL)は, 難治性の成熟T細胞腫瘍である. 中でもATLLの急性型やリンパ腫型は, 特に予後不良であり, 日本臨床腫瘍研究グループ(Japan Clinical Oncology Group; JCOG)リンパ腫グループにおいて開発されたmodified LSG15療法においても生存期間中央値は13ヵ月にすぎず3年生存割合はわずか24%であった. したがって新たな治療薬の開発が望まれている. われわれは, ケモカイン受容体であるCC chemokine receptor 4(CCR4)が90%のATLL患者の腫瘍細胞表面に発現していることを見い出し, 産学共同で新規抗体薬の開発に着手した.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.14-00230-3