DNDiによるNTDs治療薬開発のための国際パートナーシップ

• Published in: YAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 2; pp. 213 - 222
• Main Authors: 平林, 史子, 山田, 陽城
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本薬学会 01.02.2016; 日本薬学会
• Subjects: drug development; Drugs for Neglected Diseases initiative; partnership
• ISSN: 0031-6903; 1347-5231
• DOI: 10.1248/yakushi.15-00233-2

「はじめに」 顧みられない熱帯病(neglected tropical diseases; NTDs)は世界保健機関(World Health Organization; WHO)により定義された熱帯地域の貧困層を中心に蔓延している17の寄生虫や細菌, ウイルスによる感染症であり, 世界149ヵ国で14億人以上がその感染に晒されている. NTDs, マラリア及び結核は世界の疾病負荷(疾患の死亡率や有病率, 生活の質, 費用負担などからの指数)の12%を占めるが, 世界で開発されたこれらの治療薬は1975年から2004年までの累計で1577種類の新薬のうちの1.3%に過ぎない. 1.3%の内訳は新薬21種中, マラリアに対する新薬が8種, 結核に対する新薬は3種であり, NTDsに対する新薬はわずか10種のみである. これはNTDsの患者の大半が最貧国の人々であることから, その治療薬に市場性がないことによることが大きい.