生細胞膜タンパク質の会合・内在化の可視化解析ツール:コイルドコイルラベル法

「1. はじめに」膜タンパク質は, 細胞膜を介した様々な基質・シグナルのやり取りに欠かせないタンパク質群であり, Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor; GPCR), 1, 2) チロシンキナーゼ型受容体, イオンチャネル, トランスポーター等, 創薬標的として重要なタンパク質が多く含まれる. 2012年のノーベル化学賞がGPCRの諸研究に対して授与されたことは記憶に新しい. 中でも近年可能になったGPCRの結晶構造解析の進展は目覚ましく, 網羅的な解析が進行中である. 3) 構造解析を含めこれまでの膜タンパク質研究の多くは, タンパク質を単離・精製し...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 134; no. 4; pp. 501 - 506
Main Authors 矢野, 義明, 河野, 健一, 大前, 薫, 竹田, 有希, 松崎, 紗矢香, 松崎, 勝巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.04.2014
日本薬学会
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Summary:「1. はじめに」膜タンパク質は, 細胞膜を介した様々な基質・シグナルのやり取りに欠かせないタンパク質群であり, Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor; GPCR), 1, 2) チロシンキナーゼ型受容体, イオンチャネル, トランスポーター等, 創薬標的として重要なタンパク質が多く含まれる. 2012年のノーベル化学賞がGPCRの諸研究に対して授与されたことは記憶に新しい. 中でも近年可能になったGPCRの結晶構造解析の進展は目覚ましく, 網羅的な解析が進行中である. 3) 構造解析を含めこれまでの膜タンパク質研究の多くは, タンパク質を単離・精製してその性質を調べる方向で行われてきた. しかし今後は, 膜タンパク質が本来存在する, 複雑な脂質組成を持ち, かつダイナミックに変化する生細胞膜環境における挙動を調べる手法の重要性が増してくると思われる.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.13-00251-1