タンパク質の変動解析及び機能解明に有用なFD-LC-MS/MSプロテオミクス法の開発と応用
「1. はじめに」生体分子の量的変動を捉え, その変動の意味するところを理解できれば, 生命現象を理解することができ, さらには病気の治療に役立てることができる. タンパク質の量的変動を解析(プロテオーム解析)することは, 遺伝子の最終産物であり現実に細胞内で働いているタンパク質の変動を直接捉えるため, ゲノム解析よりも細胞の形態や機能の情報を直接的に反映すると考えられ, 生命現象の解明に有用である. また, 精確にタンパク質の変動を解析できれば, タンパク質とタンパク質の相互作用, すなわちタンパク質ネットワークを理解することができ, さらには病気診断のためのバイオマーカーの候補タンパク質を...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 135; no. 2; pp. 197 - 203 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.02.2015
日本薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.14-00213-2 |
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Summary: | 「1. はじめに」生体分子の量的変動を捉え, その変動の意味するところを理解できれば, 生命現象を理解することができ, さらには病気の治療に役立てることができる. タンパク質の量的変動を解析(プロテオーム解析)することは, 遺伝子の最終産物であり現実に細胞内で働いているタンパク質の変動を直接捉えるため, ゲノム解析よりも細胞の形態や機能の情報を直接的に反映すると考えられ, 生命現象の解明に有用である. また, 精確にタンパク質の変動を解析できれば, タンパク質とタンパク質の相互作用, すなわちタンパク質ネットワークを理解することができ, さらには病気診断のためのバイオマーカーの候補タンパク質を見い出すことも可能となる. われわれはこれまで独創的なプロテオーム解析法FD-LC-MS/MS(Fluorogenic Derivatization of protein-separation of derivatized protein by high performance Liquid Chromatography-identification of protein by LC-tandem Mass Spectrometry)を開発し, その応用に関する研究を行ってきた. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.14-00213-2 |