mdxマウスの後肢筋群に対する等尺性収縮運動の影響

今回われわれは,筋ジストロフィーの実験動物モデルであるmdxマウスを用い,等尺性収縮運動が筋線維におよぼす影響を形態学的,病理学的所見から検討した。8週齢の雄のmdxマウスを用い,5匹ずつ運動群と非運動群に分け,対照として同週齢のC57BL/ 10ScN雄マウスを同様に2群に分けた。等尺性収縮による運動負荷は1日1回10分間,週5回,4週間実施した。結果,長趾伸筋において,mdxマウス・対照マウス両者とも運動群に筋肥大が認められた。また,mdxマウスの運動群では小径線維並びにfiber splittingの割合が少なかった。したがって等尺性収縮運動は筋肥大をもたらし,また筋病変の進行を抑制する...

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Published in理学療法学 Vol. 25; no. 2; pp. 86 - 92
Main Authors 辻畑, 光宏, 加藤, 克知, 東, 登志夫, 田原, 弘幸, 吉村, 俊郎, 沖田, 実, 中野, 治郎, 大木田, 治夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 31.03.1998
日本理学療法士協会
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001305237

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Summary:今回われわれは,筋ジストロフィーの実験動物モデルであるmdxマウスを用い,等尺性収縮運動が筋線維におよぼす影響を形態学的,病理学的所見から検討した。8週齢の雄のmdxマウスを用い,5匹ずつ運動群と非運動群に分け,対照として同週齢のC57BL/ 10ScN雄マウスを同様に2群に分けた。等尺性収縮による運動負荷は1日1回10分間,週5回,4週間実施した。結果,長趾伸筋において,mdxマウス・対照マウス両者とも運動群に筋肥大が認められた。また,mdxマウスの運動群では小径線維並びにfiber splittingの割合が少なかった。したがって等尺性収縮運動は筋肥大をもたらし,また筋病変の進行を抑制する可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001305237