初発膀胱癌に対して無麻酔で経尿道的マイクロ波凝固術を施行した2例

「緒言」 我々は膀胱癌の治療として経尿道的マイクロ波凝固術(MTC)を施行している1)2). 特に小さな再発腫瘍に対しては, 無麻酔での治療を試みている3). 施行場所は外来膀胱鏡検査室であり, 術前にジクロフェナクナトリウム坐剤の投与を行い, さらに男性の場合には塩酸リドカインゼリーの尿道内注入を行っている. 外筒21Fの硬性膀胱鏡を用い, 径2.4mmのボール型内視鏡用電極で凝固している. 今回は初発膀胱癌ではあるものの, 高齢で合併症を有していたために無麻酔でMTCを施行した2例を経験したので報告する. 「I. 症例」 「1. 症例1」 92歳, 男性 主訴:排尿困難, 尿潜血 既往歴:...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 28; pp. 61 - 64
Main Authors 原田, 忠, 大森, 圭, 木暮, 輝明, 高橋, 裕二, 由利, 康裕, 宮形, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2010
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.28.61

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Summary:「緒言」 我々は膀胱癌の治療として経尿道的マイクロ波凝固術(MTC)を施行している1)2). 特に小さな再発腫瘍に対しては, 無麻酔での治療を試みている3). 施行場所は外来膀胱鏡検査室であり, 術前にジクロフェナクナトリウム坐剤の投与を行い, さらに男性の場合には塩酸リドカインゼリーの尿道内注入を行っている. 外筒21Fの硬性膀胱鏡を用い, 径2.4mmのボール型内視鏡用電極で凝固している. 今回は初発膀胱癌ではあるものの, 高齢で合併症を有していたために無麻酔でMTCを施行した2例を経験したので報告する. 「I. 症例」 「1. 症例1」 92歳, 男性 主訴:排尿困難, 尿潜血 既往歴: 78歳時に膵頭部癌手術, 糖尿病 86歳時に大腸癌手術, 狭心症 家族歴:特記すべきことなし 現病歴: 2004年より前立腺肥大症で加療していた. 2008年6月に尿潜血陽性となり, 7月の膀胱鏡検査で膀胱後壁に径3mmの乳頭状腫瘍を認めた.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.28.61