スポーツの試合中における感情調節方略尺度の作成

「序」スポーツ競技者は, 試合場面でパフォーマンスを維持し, 結果的に良い競技成績を残すために, 様々な感情をあらゆる手段で調節している. 例えば, 試合直前に不安を紛らわすために音楽を聴く, 不安なことを他人に吐き出す, プレーへの自信を高めるために過去の良いパフォーマンスを思い返す等の方法がとられている(Stanley et al, 2012). このように, 感情がコントロールされる過程のことを, 心理学領域では「感情調節」と呼ぶ. 感情調節とは, 「個人がどのような感情をもち, いつ感情をもち, どのように感情を体験し表出するかに影響するプロセス」(Gross, 1998a, p.27...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 49; no. 1; pp. 33 - 47
Main Authors 相羽, 枝莉子, 松田, 晃二郎, 児玉, 亜由実, 杉山, 佳生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 31.03.2022
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Summary:「序」スポーツ競技者は, 試合場面でパフォーマンスを維持し, 結果的に良い競技成績を残すために, 様々な感情をあらゆる手段で調節している. 例えば, 試合直前に不安を紛らわすために音楽を聴く, 不安なことを他人に吐き出す, プレーへの自信を高めるために過去の良いパフォーマンスを思い返す等の方法がとられている(Stanley et al, 2012). このように, 感情がコントロールされる過程のことを, 心理学領域では「感情調節」と呼ぶ. 感情調節とは, 「個人がどのような感情をもち, いつ感情をもち, どのように感情を体験し表出するかに影響するプロセス」(Gross, 1998a, p.275)と定義されている. なお, 感情調節には, 感情が生起する前に調節する「先行焦点型調節」と, 既に生起している感情を調節する「反応焦点型調節」がある(Gross, 1998b).
ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2021-2106