肺炎予防を目的としたドラッグストアにおける口腔ケア情報提供の有用性

「緒言」肺炎は, 平成23年度の日本の人口動態統計において死因原因の第3位となり, 現在もなお増加の一途をたどっている. 平成26年度の人口動態統計によると, 肺炎死亡者数の90%以上は65歳以上の高齢者であることが分かっている. 一方で, 高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎であり, 70歳以上では86.7%が誤嚥性肺炎とする報告もある. このような背景から, 肺炎予防においては誤嚥性肺炎の予防が重要であることが知られている. 誤嚥性肺炎とは, 口腔内の微生物や食物などの誤嚥により生じる肺炎である. 高齢者に誤嚥性肺炎が多い原因として, 唾液分泌量の低下, 義歯の使用等により口腔内に細菌が繁殖し易...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 136; no. 12; pp. 1657 - 1666
Main Authors 溝口, 優, 桑野, 紗子, 鈴木, 育子, 重山, 昌人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.12.2016
日本薬学会
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Summary:「緒言」肺炎は, 平成23年度の日本の人口動態統計において死因原因の第3位となり, 現在もなお増加の一途をたどっている. 平成26年度の人口動態統計によると, 肺炎死亡者数の90%以上は65歳以上の高齢者であることが分かっている. 一方で, 高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎であり, 70歳以上では86.7%が誤嚥性肺炎とする報告もある. このような背景から, 肺炎予防においては誤嚥性肺炎の予防が重要であることが知られている. 誤嚥性肺炎とは, 口腔内の微生物や食物などの誤嚥により生じる肺炎である. 高齢者に誤嚥性肺炎が多い原因として, 唾液分泌量の低下, 義歯の使用等により口腔内に細菌が繁殖し易いことや, 嚥下反射, 咽頭反射の低下により誤嚥を起こし易いことが挙げられる. そのため高齢者の肺炎予防においては, 口腔ケアによる口腔内細菌の除去と, 嚥下機能訓練等による嚥下機能の回復が重要であると考えられている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00056