消化器科領域の炭酸ガスレーザー―より安全な内視鏡的粘膜下層剥離術を目指した,炭酸ガスレーザーを用いた新たな展開

内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection: ESD)は早期消化管癌に対する低侵襲な治療法として広く受け入れられている.しかしながら,高度な技術を要し,手技の成功は術者の腕に委ねられているのが現状である.我々はこの問題を解決するために,炭酸ガスレーザーを用いた新しい内視鏡治療器の開発を行った.炭酸ガスレーザーは水に吸収されやすいため,従来の電気メスに比べて炭酸ガスレーザーによるESDは,穿孔の危険性が少なく,熱凝固による組織損傷が少ないという利点をブタを用いた実験により示した.さらに非接触下で良好な視野のもと,より精確で安全な治療が全ての内視鏡医に...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 38; no. 4; pp. 413 - 420
Main Authors 本多, 典広, 粟津, 邦男, 森田, 圭紀, 間, 久直, 有吉, 隆佑
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 2018
日本レーザー医学会
Subjects
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.jslsm-38_0032

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Summary:内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection: ESD)は早期消化管癌に対する低侵襲な治療法として広く受け入れられている.しかしながら,高度な技術を要し,手技の成功は術者の腕に委ねられているのが現状である.我々はこの問題を解決するために,炭酸ガスレーザーを用いた新しい内視鏡治療器の開発を行った.炭酸ガスレーザーは水に吸収されやすいため,従来の電気メスに比べて炭酸ガスレーザーによるESDは,穿孔の危険性が少なく,熱凝固による組織損傷が少ないという利点をブタを用いた実験により示した.さらに非接触下で良好な視野のもと,より精確で安全な治療が全ての内視鏡医に提供できるものと期待される.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-38_0032