ソナゾイド®造影エコー導入による当科での肝細胞癌局所治療の変化

「緒言」 肝細胞癌(HCC)に対する内科的局所治療としては, 経皮的もしくは腹腔鏡的ラジオ波焼灼術, マイクロ波凝固術, エタノール注入療法などがある. 当科でもこれまでに, それらの治療成績や治療の工夫を報告してきた1)-3). 局所治療は, 通常, 超音波ガイドで施行されるため, 超音波で病変描出が困難な場合は, 局所治療の適応と考えられる病変であっても局所治療ができない場合がある. 2007年1月, 肝腫瘤性病変を適応症として, 第二世代の超音波造影剤ソナゾイド(R)が発売された. ソナゾイド(R)は, 化学的に安定した難溶性ガスであるペルフルブタンの微小気泡(平均粒子径は2~3μm)で...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 28; pp. 35 - 38
Main Authors 林, 健博, 藤井, 英樹, 黒岡, 浩子, 岩井, 秀司, 小塚, 立蔵, 麻植, 愛, 山口, 康徳, 小林, 佐和子, 元山, 宏行, 田守, 昭博, 河田, 則文, 榎本, 大, 森川, 浩安, 坂口, 浩樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2010
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.28.35

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Summary:「緒言」 肝細胞癌(HCC)に対する内科的局所治療としては, 経皮的もしくは腹腔鏡的ラジオ波焼灼術, マイクロ波凝固術, エタノール注入療法などがある. 当科でもこれまでに, それらの治療成績や治療の工夫を報告してきた1)-3). 局所治療は, 通常, 超音波ガイドで施行されるため, 超音波で病変描出が困難な場合は, 局所治療の適応と考えられる病変であっても局所治療ができない場合がある. 2007年1月, 肝腫瘤性病変を適応症として, 第二世代の超音波造影剤ソナゾイド(R)が発売された. ソナゾイド(R)は, 化学的に安定した難溶性ガスであるペルフルブタンの微小気泡(平均粒子径は2~3μm)で, 卵黄から作られたリン脂質のシェルを持っている. 投与量は非常に少量であり, 副作用が少なく, 呼気排泄のため腎機能低下症例にも使用可能である. 静脈投与後, 比較的早い時期の血流画像(血管イメージング)と10分以上経過後のクッパー細胞への集積画像(クッパーイメージング)という2種類の異なった画像情報が得られる.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.28.35