眼振の内服治療

眼振は, 神経機構の機能亢進あるいは機能低下により出現する. 眼振の内服加療は, 眼振の発症機序を理解して行うことが望ましいが, その機序が不明なことが多いので試行的投薬となることがある. 病的眼振を神経学眼科的所見から診断をして, 脳MRIなどの画像により病巣部位を同定して治療を行うことが望ましい. 本稿では, 病的眼振について記載をした. 「I. 眼振について」眼振は, 一般的に不随意的な眼球の持続的律動的往復運動をさす. 正常人に見られる随意眼振は別として, 病的眼振は不随意性である. 往復運動の行きと帰りの運動パターンが同じものを振子眼振 (pendular nystagmus) とよ...

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Published in神経眼科 Vol. 41; no. 2; pp. 144 - 150
Main Author 大井, 長和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.06.2024
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.41.144

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Summary:眼振は, 神経機構の機能亢進あるいは機能低下により出現する. 眼振の内服加療は, 眼振の発症機序を理解して行うことが望ましいが, その機序が不明なことが多いので試行的投薬となることがある. 病的眼振を神経学眼科的所見から診断をして, 脳MRIなどの画像により病巣部位を同定して治療を行うことが望ましい. 本稿では, 病的眼振について記載をした. 「I. 眼振について」眼振は, 一般的に不随意的な眼球の持続的律動的往復運動をさす. 正常人に見られる随意眼振は別として, 病的眼振は不随意性である. 往復運動の行きと帰りの運動パターンが同じものを振子眼振 (pendular nystagmus) とよび, 異なるものを衝動性眼振 : 急速相と緩徐相を持つ眼振 (jerky nystagmus) とよぶ. 「(1) 眼振の表現方法」神経学的所見は, 図を使用して左右眼ごとに表現する. 薬剤の投与前と投与後に, 眼振を図で記載をして, できるだけ動画記録を残すこと.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.41.144