早期発症側弯症に対する早期固定術は骨未成熟であっても許容できるか―グローイングロッド手術との比較
はじめに:早期発症側弯症に対しては近年Growth friendly surgeryが大勢を占めるが多数回手術や合併症の多さなど様々な問題点が山積している.近年,早期固定術を学童期に行うことで,それらの問題点を解決することが多施設データベースから検討されるようになった.今回,骨未成熟患者に対する単一術者による早期最終固定術と最終固定を終えた従来型グローイングロッド手術の結果を比較検証した.対象と方法:重度脊柱変形を有する早期発症側弯症9歳から11歳に対して早期脊椎固定術を16例に適応した.過去に同一年齢に適応し,最終固定術を終えたグローイングロッド手術11症例と比較した.結果:最終観察時の主カ...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 12; no. 11; pp. 1319 - 1325 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.11.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1884-7137 2435-1563 |
DOI | 10.34371/jspineres.2021-1108 |
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Summary: | はじめに:早期発症側弯症に対しては近年Growth friendly surgeryが大勢を占めるが多数回手術や合併症の多さなど様々な問題点が山積している.近年,早期固定術を学童期に行うことで,それらの問題点を解決することが多施設データベースから検討されるようになった.今回,骨未成熟患者に対する単一術者による早期最終固定術と最終固定を終えた従来型グローイングロッド手術の結果を比較検証した.対象と方法:重度脊柱変形を有する早期発症側弯症9歳から11歳に対して早期脊椎固定術を16例に適応した.過去に同一年齢に適応し,最終固定術を終えたグローイングロッド手術11症例と比較した.結果:最終観察時の主カーブの矯正率,獲得体幹長も2群間に有意差を認めなかった.グローイングロッド手術群では経過とともに胸椎後弯の増大を認め,早期固定術群と比較して有意差を認めた.また再手術を含めた手術回数はグローイングロッド手術群で有意に多かった.結語:骨未成熟であっても9歳以上であれば早期固定術は選択肢となりえる. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2021-1108 |