喉頭亜全摘術Supracricoid laryngectomy : 切除断端の病理組織学的検討

「はじめに」Supracricoid laryngectomy with Cricohyoidoepiglottopexy(SCL-CHEP)は甲状軟骨を中心とする喉頭の3/4を切除し, 舌骨と輪状軟骨を接合して再建する喉頭亜全摘術で, 喉頭部分切除術と喉頭全摘術の中間に位置付けられる. 永久気管孔を必要としない自然気道での生活, 良好な嚥下, 音声機能の獲得が可能である. SCL-CHEPの術式の特徴は, 甲状軟骨を分割せずに全摘することで声門周囲腔のen bloc切除が可能で, 腫瘍学的根治性が高い機能温存手術であるとされている. 一方, 約5%前後の確率で局所再発が認められており, 適正...

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Published in喉頭 Vol. 20; no. 2; pp. 68 - 71
Main Authors 岡本, 牧人, 林, 政一, 清野, 由輩, 中山, 明仁, 竹田, 昌彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 2008
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.20.2_68

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Summary:「はじめに」Supracricoid laryngectomy with Cricohyoidoepiglottopexy(SCL-CHEP)は甲状軟骨を中心とする喉頭の3/4を切除し, 舌骨と輪状軟骨を接合して再建する喉頭亜全摘術で, 喉頭部分切除術と喉頭全摘術の中間に位置付けられる. 永久気管孔を必要としない自然気道での生活, 良好な嚥下, 音声機能の獲得が可能である. SCL-CHEPの術式の特徴は, 甲状軟骨を分割せずに全摘することで声門周囲腔のen bloc切除が可能で, 腫瘍学的根治性が高い機能温存手術であるとされている. 一方, 約5%前後の確率で局所再発が認められており, 適正な切除断端を確保することが重要である1,2). 本稿では当科で経験したSCL-CHEP症例のHE染色大切片標本を用いて, 切除断端を中心に検討を行った. 本術式の切除限界についても考察する. 「方法と対象」1997から2007年までにSCL-CHEPを行った声門型扁平上皮癌40例のHE染色大切片標本を用いて, 前後上下の4方向の切除断端について検討を行った.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.20.2_68