大学生を対象とした日本語版学業的満足遅延尺度の開発

「問題と目的」近年, 問題視され続けている大学生の学力低下の背景として, 学生の自主学習時間が少なく, 学習内容の習得が不十分であることが指摘されている. 大学生は, 自由裁量の時間が多い環境における自律的な学習が求められる(Wolters, Pintrich, & Karabenick, 2005). したがって, 大学生にとって, 学業達成のために必要な学習時間を確保するよう, 例えばゲームやSNSなどの学習を阻害しうる要因を意識的に制御する能力が重要であるといえる. 自己調整学習研究の領域では, 学習活動を妨げる欲求を適切に制御する能力の重要性が指摘されている(Zimmerman...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 23; no. 3; pp. 197 - 200
Main Authors 中西, 満悠, 中谷, 素之, 中西, 良文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 2015
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Summary:「問題と目的」近年, 問題視され続けている大学生の学力低下の背景として, 学生の自主学習時間が少なく, 学習内容の習得が不十分であることが指摘されている. 大学生は, 自由裁量の時間が多い環境における自律的な学習が求められる(Wolters, Pintrich, & Karabenick, 2005). したがって, 大学生にとって, 学業達成のために必要な学習時間を確保するよう, 例えばゲームやSNSなどの学習を阻害しうる要因を意識的に制御する能力が重要であるといえる. 自己調整学習研究の領域では, 学習活動を妨げる欲求を適切に制御する能力の重要性が指摘されている(Zimmerman, 1998). 例えば, 学習者が娯楽等の誘惑に直面した場合, 先の見通しをもって何をすべきかを合理的に判断し, 誘惑への欲求を適切に制御できれば, 効果的に学習に取り組むことが可能となるだろう(Shoda, Mischel, & Peake, 1990).
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.23.197