楔状に骨性癒合した椎体間に対するLIFケージ挿入における冠状面椎体間楔状変形の矯正角度と合併症

はじめに:腰椎変性側弯症では側弯の凹側に骨棘を伴うことが多く,椎体間及び椎間関節が骨性に癒合している例もある.椎体間及び椎間関節が骨性に癒合している例に対してLIFを行う前には骨性癒合を解離する必要がある.腰椎変性側弯症において椎体間及び椎間関節が骨性癒合している症例に対して事前に椎間関節の解離を行わず,前方から単独で椎体間の骨性癒合の解離を行い,LIFケージを挿入した.冠状面椎体間楔状変形の矯正角度,終板損傷及び椎弓根骨折の合併症を調査した.対象と方法:椎体間及び椎間関節が骨性に癒合している症例に対してLIFを行った3症例,4椎間を対象とした(男1例,女2例,平均62.6歳).側弯の凸側から...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 13; no. 10; pp. 1114 - 1119
Main Authors 長島, 克弥, 竹内, 陽介, 船山, 徹, 山崎, 正志, 山路, 晃啓, 江藤, 文彦, 辰村, 正紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.10.2022
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2022-1003

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Summary:はじめに:腰椎変性側弯症では側弯の凹側に骨棘を伴うことが多く,椎体間及び椎間関節が骨性に癒合している例もある.椎体間及び椎間関節が骨性に癒合している例に対してLIFを行う前には骨性癒合を解離する必要がある.腰椎変性側弯症において椎体間及び椎間関節が骨性癒合している症例に対して事前に椎間関節の解離を行わず,前方から単独で椎体間の骨性癒合の解離を行い,LIFケージを挿入した.冠状面椎体間楔状変形の矯正角度,終板損傷及び椎弓根骨折の合併症を調査した.対象と方法:椎体間及び椎間関節が骨性に癒合している症例に対してLIFを行った3症例,4椎間を対象とした(男1例,女2例,平均62.6歳).側弯の凸側からアプローチし,骨性架橋をノミで離断してLIFケージを挿入した.解析項目は罹患高位,CT画像での術前・術後の冠状面椎体間楔状角,冠状面椎体間楔状変形の矯正角度,終板損傷もしくは椎弓根骨折の有無とした.結果:罹患高位はL3/4が3例,L4/5が1例.冠状面椎体間楔状変形の矯正角度は-1~9度,平均3.7度であった.合併症は4椎間中で終板損傷1例,椎弓根骨折1例がみられた.結語:椎体間が骨性に癒合している腰椎変性側弯症に対するLIFでは終板損傷や椎弓根骨折の合併症を起こす可能性もあるが,低侵襲に矯正可能であり有用である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-1003