幼児の問題行動の個人差を測定するための保育者評定尺度の開発

「目的」 問題行動とは, 発達上ないしは社会集団への適応上, 問題となる行動(竹林, 1999)と定義される. そして, Achenbach & Edelbrock(1978)による分類以来, 子どもの問題行動は, 攻撃行動に代表されるexternalizingな行動と引きこもりに代表されるinternalizingな行動の2側面からとらえることが一般的になりつつある. 保育所や幼稚園は, 子どもが家庭を離れて同世代の仲間と過ごす集団生活の場であるので, 保育現場で収集されるデータは, 幼児の社会集団における問題を研究する上で, 必要不可欠の情報を提供してくれる. 子どもの問題行動の個...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 14; no. 2; pp. 235 - 237
Main Authors 金山, 元春, 中台, 佐喜子, 磯部, 美良, 岡村, 寿代, 佐藤, 正二, 佐藤, 容子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 2006
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Summary:「目的」 問題行動とは, 発達上ないしは社会集団への適応上, 問題となる行動(竹林, 1999)と定義される. そして, Achenbach & Edelbrock(1978)による分類以来, 子どもの問題行動は, 攻撃行動に代表されるexternalizingな行動と引きこもりに代表されるinternalizingな行動の2側面からとらえることが一般的になりつつある. 保育所や幼稚園は, 子どもが家庭を離れて同世代の仲間と過ごす集団生活の場であるので, 保育現場で収集されるデータは, 幼児の社会集団における問題を研究する上で, 必要不可欠の情報を提供してくれる. 子どもの問題行動の個人差を測定する方法には, 自己評定法,保育者(教師)評定法, 仲間評定法, 行動観察法などがある. このうち, 自己評定法と保育者評定法には実施が簡便で経済効率が高いという利点があるので, 保育現場での実用性が高い方法といえる. しかし, 幼児を対象とした場合, 言語能力や認知能力の限界から自己評定法の実施は困難である. したがって, 保育現場では保育者評定法が最も実用性の高い方法といえるだろう. 海外では,幼児の問題行動の個人差を測定するための保育者評定尺度が開発されている.
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.14.235