成人脊柱変形手術における複数ロッド固定は早期のロッド折損を予防できる

はじめに:成人脊柱変形手術において,複数ロッド固定は早期のロッド折損を予防できるかを調査した.対象と方法:対象は成人脊柱変形に対し,骨盤アンカーを用いた矯正固定を行い,術後1年以上経過観察可能であった90例.3本以上のロッドを用いた症例をM群,2本ロッドをT群と定義した.患者背景因子,手術関連因子,術前後の単純X線パラメータおよび臨床評価に加え,術後1年以内のロッド折損,PJKおよび再手術の有無を調査し,これらを2群間で比較検討した.結果:M群,T群ともに45例であった.手術関連因子ではM群で有意にSacral alar-iliacスクリューの本数が多かった(p=0.002).術前単純X線パラ...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 13; no. 11; pp. 1243 - 1249
Main Authors 川北, 晃平, 宇野, 耕吉, 平中, 良明, 鈴木, 哲平, 伊藤, 雅明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.11.2022
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2022-1108

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Summary:はじめに:成人脊柱変形手術において,複数ロッド固定は早期のロッド折損を予防できるかを調査した.対象と方法:対象は成人脊柱変形に対し,骨盤アンカーを用いた矯正固定を行い,術後1年以上経過観察可能であった90例.3本以上のロッドを用いた症例をM群,2本ロッドをT群と定義した.患者背景因子,手術関連因子,術前後の単純X線パラメータおよび臨床評価に加え,術後1年以内のロッド折損,PJKおよび再手術の有無を調査し,これらを2群間で比較検討した.結果:M群,T群ともに45例であった.手術関連因子ではM群で有意にSacral alar-iliacスクリューの本数が多かった(p=0.002).術前単純X線パラメータはPIおよびPTがそれぞれT群で有意に高値であった(p=0.014,p=0.018).術後臨床評価ではSRS-30 FunctionドメインおよびPainドメインがそれぞれM群で有意に高値であった(p=0.032,p=0.015).PJKおよび再手術率には2群間に有意差は認めなかったが,ロッド折損はT群で有意に多かった(M群0%,T群13%:p=0.01).結語:短期的ではあるが複数ロッド固定は明らかな不利益なくロッド折損を有意に減少させた.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-1108