アクリル眼内レンズ挿入眼における光学式眼軸長測定装置OA-1000の測定精度

• Published in: 日本視能訓練士協会誌 Vol. 39; pp. 191 - 196
• Main Authors: 大野, 恵梨, 須藤, 史子, 島村, 恵美子, 渡辺, 逸美
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2010; 日本視能訓練士協会
• Subjects: 光学式眼軸長測定; 屈折率変換; 眼内レンズ挿入眼
• ISSN: 0387-5172; 1883-9215
• DOI: 10.4263/jorthoptic.039F119

目的：非接触式光学式眼軸長測定装置OA-1000（TOMEY）における白内障手術前後の眼軸長測定精度をIOLMaster®（Carl Zeiss Meditec）と比較すること。 対象と方法：対象は済生会栗橋病院にて白内障手術を施行、アクリル眼内レンズ（以下IOL） SA60AT（Alcon）を嚢内固定し、術前と術後3カ月目にOA-1000 とIOLMaster®で測定した、53 名82眼。術後眼軸長は、各装置内蔵の屈折率変換プログラムでアクリルIOL挿入眼に屈折率変換した値とし、術前後の眼軸長測定精度について挿入IOL度数別に3群に分けて検討した。 結果：OA-1000、IOLMaster®ともに術前後の眼軸長は高い相関を示し（r²=0.9989，r²=0.9992）、いずれの装置も術後は0.09mm短く測定された（p<0.0001，t検定）。OA-1000とIOLMaster®は高い相関を示し （術前：r²=0.9993，術後：r²=0.9992）、術前後ともにOA-1000の方が有意に短く測定された （術前：0.08mm，術後：0.07mm，p<0.0001，t検定）。挿入IOL度数別の術前後の眼軸長の差に有意差は認められなかった（p=0.36，p=0.86，一元配置分散分析）。 結論：アクリルIOL挿入眼の測定精度は、OA-1000とIOLMaster®で同等であり、挿入されたIOLの度数を考慮せずに、装置内蔵の屈折率変換プログラムで精度の高い測定が可能である。