TPN施行患者の肝機能異常症例の検討

緒言 中心静脈栄養法(Total Parenteral Nutrition:以下, TPNとする)は1968年, Dudrickらにより開発された高カロリー輸液投与法である. この投与法は末梢からでは投与不可能な高濃度の糖類, アミノ酸, ビタミン, ミネラル, 微量元素の含まれた輸液を鎖骨下静脈, 内頸静脈等から投与することで, 1日に必要なカロリーを摂取することができる. この方法は, 消化器外科を中心に普及し, 疾患, 術後などで消化管を長期間使用できない, あるいは使用しない方が治療上有益である場合に適応となる. しかし, この投与法は消化管を使用しないという非生理的な投与法でもあり,...

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Published in医療薬学 Vol. 30; no. 12; pp. 812 - 815
Main Authors 中西, 哲史, 岡田, 弘之, 鈴木, 千華, 長坂, 行芳, 浅井, 典人, 松下, 勝彦, 夏目, 早敏, 丸山, 昌広, 松木, 慶子, 本多, 哲治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2004
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.30.812

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Summary:緒言 中心静脈栄養法(Total Parenteral Nutrition:以下, TPNとする)は1968年, Dudrickらにより開発された高カロリー輸液投与法である. この投与法は末梢からでは投与不可能な高濃度の糖類, アミノ酸, ビタミン, ミネラル, 微量元素の含まれた輸液を鎖骨下静脈, 内頸静脈等から投与することで, 1日に必要なカロリーを摂取することができる. この方法は, 消化器外科を中心に普及し, 疾患, 術後などで消化管を長期間使用できない, あるいは使用しない方が治療上有益である場合に適応となる. しかし, この投与法は消化管を使用しないという非生理的な投与法でもあり, TPNを施行した患者において電解質異常, 肝機能異常などの発現が報告されている. われわれは外科病棟における薬剤管理指導業務において, TPN施行中の患者でAST, ALT値がTPN開始後, 上昇している症例を経験した. そこで, TPNを施行した患者のAST, ALT値をレトロスペクティブに調査し, 検討を行った.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.30.812