神経眼科疾患の治療評価に対するDiplometの使用経験
【目的】様々な眼球運動障害を伴う神経眼科疾患の治療評価に対するDiplometの有用性を検討した。 【対象と方法】4例について後ろ向きにDiplomet、Maddox rodとプリズムを用いた眼位検査、眼球運動写真撮影にて検討した。 【結果】症例1:51歳女性。多発性硬化症による右外転神経麻痺を生じ、ステロイドパルス治療後、外転神経麻痺は改善した。症例2:54歳女性。Churg-Strauss症候群による眼窩炎症症候群で右眼内転制限、外下転制限を生じた。ステロイドパルス治療後、眼球運動障害は改善した。症例3:22歳女性。SLEに伴う側頭葉出血にて頭蓋内圧の上昇を生じ、左眼外転神経麻痺をきたした...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 44; pp. 137 - 147 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2015
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.044F015 |
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Summary: | 【目的】様々な眼球運動障害を伴う神経眼科疾患の治療評価に対するDiplometの有用性を検討した。 【対象と方法】4例について後ろ向きにDiplomet、Maddox rodとプリズムを用いた眼位検査、眼球運動写真撮影にて検討した。 【結果】症例1:51歳女性。多発性硬化症による右外転神経麻痺を生じ、ステロイドパルス治療後、外転神経麻痺は改善した。症例2:54歳女性。Churg-Strauss症候群による眼窩炎症症候群で右眼内転制限、外下転制限を生じた。ステロイドパルス治療後、眼球運動障害は改善した。症例3:22歳女性。SLEに伴う側頭葉出血にて頭蓋内圧の上昇を生じ、左眼外転神経麻痺をきたした。頭蓋内圧減圧治療後、外転神経麻痺は改善した。症例4:14歳女性。蝶形骨異形成による拍動性眼球突出により、内斜視及び左上斜視を生じた。脳神経外科にて蝶形骨形成術後、新たな眼球運動障害は出現せず、眼位の改善を示した。全ての症例においてDiplometで同様の経過が記録確認できた。 【結論】Diplometは様々な神経眼科疾患の眼球運動障害において、年齢・原因疾患を問わず、治療前後の眼位・眼球運動障害を測定、記録可能であった。治療前後の評価にDiplometは有用であると思われた。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.044F015 |