円錐角膜眼における前眼部OCTの新しい表面不整指標の検討

【目的】円錐角膜眼と正常眼における新しい表面不整指標を検討する。【対象及び方法】対象は円錐角膜89名162眼(円錐角膜群、男性51名、女性38名、平均年齢39.4±18.7歳、平均角膜屈折力(K値)48.85±6.09D)、正常50名100眼(正常群、男性20名、女性30名、平均年齢39.3±12.0歳、平均角膜屈折力(K値)43.45±1.31D)である。前眼部OCT CASIA(TOMEY社)の角膜4mm径内のHeightデータを三次微分して得られる表面不整指標であるSurface regularity based on corneal height date(SRH、TOMEY社作成)を...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 46; pp. 225 - 230
Main Authors 宇野, 裕奈子, 杉野, 友哉, 岡田, あかね, 山村, 彩, 鈴木, 紗代, 小島, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2017
日本視能訓練士協会
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Summary:【目的】円錐角膜眼と正常眼における新しい表面不整指標を検討する。【対象及び方法】対象は円錐角膜89名162眼(円錐角膜群、男性51名、女性38名、平均年齢39.4±18.7歳、平均角膜屈折力(K値)48.85±6.09D)、正常50名100眼(正常群、男性20名、女性30名、平均年齢39.3±12.0歳、平均角膜屈折力(K値)43.45±1.31D)である。前眼部OCT CASIA(TOMEY社)の角膜4mm径内のHeightデータを三次微分して得られる表面不整指標であるSurface regularity based on corneal height date(SRH、TOMEY社作成)を用いて、円錐角膜群と正常群の角膜前面SRHおよび角膜後面SRHの比較をMann-Whitney's U testを用い検討を行った。円錐角膜群をAmsler-Krumeich分類に基づき4つの重症度に分類し、重症度別の比較をKruskal-Wallis検定を用い検討し、また角膜前面SRH、角膜後面SRHと矯正視力(logMAR)の相関をPearson相関係数を用いて検討した。いずれも有意水準は5%未満とした。【結果】角膜前面SRH、角膜後面SRHについて正常群と比較してどちらも円錐角膜群が有意に高値を示した(p<0.0001)。円錐角膜重症度別の比較は、角膜前面、後面どちらも4群間で有意差が認められた(p<0.001)。多重間比較の結果、重症度別が上がるにつれてSRHも高値を示した。SRHと矯正視力(logMAR)の相関は、角膜前面、後面どちらも円錐角膜群で有意な相関がみられ(p<0.001 r=0.33)、正常眼では相関は認められなかった(p=0.40)。【結論】SRHは円錐角膜眼において高値を示し矯正視力及び重症度を反映する有用な指標であると考えられた。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.046F125