光干渉断層計を用いた不同視弱視の黄斑網膜の形態解析

【目的】Spectral-domain光干渉断層計(SD-OCT)を用いて、遠視性不同視弱視の黄斑網膜厚を解析する。 【対象と方法】2011年12月から2013年10月31日までの間に井原市民病院を受診した10名(3~16歳)の遠視性不同視弱視を対象に、SD-OCTを用いて中心窩を通る、水平および垂直経線の網膜断層を撮影した。中心窩の網膜厚と陥凹深度、中心窩から500μmと1500μmの黄斑網膜厚、および同部位の層別厚をそれぞれ計測し僚眼と比較した。 【結果】弱視眼の中心窩から1500μmの鼻側、耳側、上側、および下側の網膜厚は僚眼よりも有意に大きく(p <0.05)、同眼の中心窩から1...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 43; pp. 113 - 121
Main Authors 藤井, 千晶, 岸本, 典子, 大月, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2014
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.043F108

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Summary:【目的】Spectral-domain光干渉断層計(SD-OCT)を用いて、遠視性不同視弱視の黄斑網膜厚を解析する。 【対象と方法】2011年12月から2013年10月31日までの間に井原市民病院を受診した10名(3~16歳)の遠視性不同視弱視を対象に、SD-OCTを用いて中心窩を通る、水平および垂直経線の網膜断層を撮影した。中心窩の網膜厚と陥凹深度、中心窩から500μmと1500μmの黄斑網膜厚、および同部位の層別厚をそれぞれ計測し僚眼と比較した。 【結果】弱視眼の中心窩から1500μmの鼻側、耳側、上側、および下側の網膜厚は僚眼よりも有意に大きく(p <0.05)、同眼の中心窩から1500μmの部位の鼻側、耳側、上側の外網状層から視細胞外節までの外層網膜厚は僚眼よりも有意に大きかった(p <0.05)。中心窩の網膜厚、陥凹深度、および中心窩から500μmの網膜厚は僚眼と比較して有意差はなかった。 【結論】弱視眼の中心窩から1500μmの黄斑の網膜厚は僚眼よりも大きく、外網状層から視細胞を含む外層網膜がそれに関係する。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.043F108